2010 Fiscal Year Annual Research Report
体外栄養源による配偶子幹細胞の発生進行制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Regulatory Mechanism of Gamete Stem Cells |
Project/Area Number |
21116502
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福山 征光 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (20422389)
|
Keywords | 配偶子幹細胞 / インスリン / AMPK / 線虫 / 遺伝学 |
Research Abstract |
本研究では、線虫(C.elegans)の生殖腺前駆体において、配偶子幹細胞とニッチ細胞の体外栄養源に応答する機構を分子レベルで解明することを目標とし、これまでにpten-ampk-TORC1経路が細胞自律的、すなわち生殖幹細胞内で機能すること、また、体外栄養源として必須アミノ酸とエタノールあるいはエタノールの代わりに脂肪酸混合物を添加することにより生殖幹細胞の休眠を解除する知見を得ていた。ptenはインスリンやPDGFなどの成長因子のシグナルを負に制御していることや、成長因子の中でも哺乳動物のIGF-1はアミノ酸によって転写が促進される知見があることから、線虫では、エタノールや必須アミノ酸などの栄養源に応答してインスリン/IGF-1様リガンドの転写活性が亢進し、下流のインスリン/IGF-1-TORC1経路を活性化して配偶子幹細胞が休眠解除されるという仮説を立てた。そこでqRT-PCR法により飢餓条件下とエタノール、必須アミノ酸、その両方の栄養源を与えた条件における40存在するインスリン/IGF-1様リガンドの転写産物量を比較したところ、複数のリガンドが栄養に応答して増えていることが認められた。これらの栄養に応答するインスリン/IGF-1様リガンドのいずれかが配偶子幹細胞の休眠解除を促進すると考えられるが、それらの単独変異体は不妊の表現系を示さないことからリダンダントに機能していると考えられる。今後、多重変異体や過剰発現の表現系を精査することにより、配偶子幹細胞の休眠解除に関わるインスリン/IGF-1様リガンドを同定できることが期待できる。
|
Research Products
(6 results)