2009 Fiscal Year Annual Research Report
生殖細胞数制御による生殖幹細胞/ニッチ性分化・確立機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Regulatory Mechanism of Gamete Stem Cells |
Project/Area Number |
21116509
|
Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
中村 修平 National Institute for Basic Biology, 生殖遺伝学研究室, 特別協力研究員 (00510611)
|
Keywords | 生殖幹細胞 / sox9 / メダカ / 性分化 |
Research Abstract |
生殖幹細胞とそのニッチの構造単位(GSCs/ニッチ)が、脊椎動物の生殖腺性分化過程でいつどのようなメカニズムで分化・確立するかは不明である。本年度、我々はXX-XYシステムにより性が決まるメダカを用い、生殖腺体細胞の細胞系譜を解析する過程で、GSCs/ニッチが含まれると予期される組織構造を脊椎動物の卵巣で初めて同定した(論文投稿中)。この構造を構成する細胞は、ほ乳類精巣分化に必須のsox9bを発現していたことから、sox9bのGSCsニッチ性分化・確立機構における役割を明らかにするため、spx9b変異体を単離し、表現系解析を行っている。sox9b変異体はヘテロ個体であっても成体卵巣・精巣中の生殖細胞が野生型と比べ少なかった。さらに変異体では遺伝的にはXXであっても半数以上が精巣へと分化することが明らかとなった。生殖腺性分化過程のsox9b変異体の表現系を解析したところ、孵化前後から変異体では雌雄ともに野生型と比べて生殖細胞数の減少が見られた。これらの結果から、sox9bは、哺乳類で知られている精巣分化での役割の他にも、雌雄の生殖細胞維持や増殖に関与していることが示唆された。
|
Research Products
(3 results)