2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体におけるKeap1攻撃ストレスの時空間的分布と応答プログラムの解析
Publicly Offered Research
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
21117502
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本橋 ほづみ 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00282351)
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Keywords | 親電子性物質 / 転写制御 / イメージング |
Research Abstract |
Keap1-Nrf2制御系は、活性酸素種・親電子性物質に対する応答システムとして、生体防御において重要な役割を果たしている。通常Keap1の作用により分解されているNrf2は、刺激により安定化し、生体防御系遺伝子群の発現をもたらす。Keap1は反応性の高いシステイン残基を複数有しており、活性酸素種・新電子性物質に応じてNrf2を安定化させるセンサーとして機能する。本研究では、生体における「Keap1攻撃ストレス」の時空間的分布を明らかにし、個々のKeap1攻撃ストレスがもたらす素反応が、個体という統合されたシステムにおいてどのように位置づけられるのかを明らかにすることを目的とした。 Keap1攻撃ストレスを生体においてモニタリングするために、Neh2-tdTomatoレポーターマウスを作成した。骨髄幹細胞分画に含まれる未分化骨髄細胞は、親電子性物質への曝露により、tdTomato蛍光を増強させ、Nrf2の標的遺伝子の発現上昇も確認できた。このことから、骨髄幹細胞において、Keap1-Nrf2制御系が利用されていることがわかる。さらに、同システムが正常骨髄幹細胞の維持に重要な貢献を果たしていることを示唆する結果を得た。 一方、Nrf2の活性制御の要であるKeap1のタンパク質量が積極的に制御を受けていることが明らかになった。Keap1タンパク質は、オートファジーにより分解されており、Keap1が親電子性物資により修飾をうけるとその分解が促進されることがわかった。さらに、Keap1が有する高反応性システインの中で、特定の残基の修飾が、オートファジーによる分解を促進することも明らかになった。親電子性物質に反応したあとのKeap1タンパク質の制御機構の解明により、親電子シグナルに対する応答の多様性が明らかになった。
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[Journal Article] The critical role of nitric oxide signaling, via protein S-guanylation and nitrated cyclic GMP, in the antioxidant adaptive response.2010
Author(s)
Fujii S, Sawa T, Ihara H, Tong KI, Ida T, Okamoto T, Ahtesham AK, Ishima Y, Motohashi H, Yamamoto M, Akaike T.
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Journal Title
J Biol Chem.
Volume: 285
Pages: 23970-23984
Peer Reviewed
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