2010 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素に応答し細胞死を防ぐニューログロビンの作用機序の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
21117506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若杉 桂輔 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (20322167)
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Keywords | 蛋白質 / シグナル伝達 / ストレス / 脳・神経 |
Research Abstract |
ヒトのニューログロビン(Ngb)の神経細胞死抑制活性には、三量体G蛋白質αサブユニット(Gα)に対するGDP/GTP交換反応阻害因子(GDI)としての活性が重要である。今回、これまでに報告されているGαと結合能を有するペプチドとの配列を比較検討した結果、ヒトNgb内にGα結合モチーフが含まれていることが明らかになった。特にそのモチーフ内のEをQに置換したヒトNgb変異体を作製したところ、細胞保護できないことが明らかになった。この実験から、ヒトNgb内のGα結合モチーフが実際Gαとの結合及びGDI活性に重要な配列であることを実証できた。 また、ゼブラフィッシュNgbのモジュールM1を使った蛋白質工学による「細胞膜貫通特性を有する新規ミオグロビン(Mb)」の創製にも挑んだ。我々は最近、ゼブラフィッシュNgbに細胞外から細胞質内に移行する「細胞膜貫通特性」があることを発見した。ゼブラフィッシュNgbは構造単位「モジュール」M1からM4で構成されている。ゼブラフィッシュNgbの細胞膜貫通特性に重要なモジュールM1を完全長のMbのN末端に融合したキメラ蛋白質を作製したところ、このキメラMbは天然のMb同様ヘムを取り込み安定な構造を形成し、ゼブラフィッシュNgb同様の細胞膜貫通特性を持つことが明らかになった。さらに、グリコサミノグリカンなどを合成不能な欠損細胞株を用いてNgbの細胞内導入メカニズムを検討した結果、このキメラMbは、ゼブラフィッシュNgb同様、細胞表面に存在する負電荷を帯びたグリコサミノグリカンと結合し細胞膜貫通することが明らかになった。以上の実験から、ゼブラフィッシュNgbのモジュールM1は、細胞膜貫通能を付与できる"取り付け可能な"「構造及び機能単位」として機能することを実証できた。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Expression of neuroglobin in the zebrafish retina.2010
Author(s)
Fujikawa, C., Nagashima, M., Mawatari, K., Watanabe, S., Wakasugi, K., Kato, S.
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Journal Title
J.Physiol.Sci.
Volume: 60
Pages: S184
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