2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスにおけるプロテアソームの動態制御機構についての解析
Publicly Offered Research
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
21117508
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱崎 純 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (80533588)
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Keywords | 分生生物学 / プロテアソーム / 酸化ストレス / ユビキチン |
Research Abstract |
プロテアソームは、真核細胞に必須のタンパク質分解酵素であり、その重要性は広く知られている。老化やがんは酸化ストレスとの密接な関連が既に知られている一方、我々のこれまでの研究から、我々はプロテアソームの機能異常が未知のシグナルを介して酸化ストレス応答を惹起させると同時に、プロテアソーム活性や核局在の変化、ひいては核形態異常を引き起こすことが、がんや老化の病態の主要な要因のひとつとなっているではないかと推測した。そこで、プロテアソームの動態(機能制御、局在)と酸化ストレスとの間を結ぶ分子機構を明らかにし、がん、老化などの病態の理解に新たな視点を提供することを目的とした。 まず、酸化ストレスによりプロテアソームが核移行するメカニズムを明らかにするため、申請者らが樹立した内在性プロテアソームを蛍光標識した細胞を用いて、RNAiスクリーニングを行なうための条件検討を行い、現在より詳細な条件(ストレスなど)を検討中である。また、我々が最近同定に成功したプロテアソームに会合するチオレドキシン様酵素(プロテアソーム会合因子としては初めての酸化還元関連タンパク質である)の機能解析を、培養細胞での生化学的解析やショウジョウバエの遺伝学的解析により行い、実際に複眼の発生などに重要な働きをしている事を見いだした。さらに、酸化還元制御とプロテアソームをリンクさせる分子の同定を目指し、プロテアソーム関連遺伝子(PAC1,PI31など)ノックダウン系統ショウジョウバエをスターターとして構築し、網羅的なRNAi系統との交配を現在進行中であり、いくつかの遺伝子を候補遺伝子として同定した。
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