2010 Fiscal Year Annual Research Report
MAPキナーゼカスケードを活性化する酸化ストレスセンサーの網羅的同定
Publicly Offered Research
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
21117509
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久本 直毅 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80283456)
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Keywords | C.eelgans / JNK / RNAi |
Research Abstract |
ストレス応答型MAPキナーゼカスケードは活性酸素によるダメージに対抗する生体システムのひとつであるが、酸化ストレスがどのような"酸化ストレスセンサー"を介してMAPキナーゼカスケードを活性化するのか、また酸化ストレスの種類や発生様式によって個々のカスゲードがどのように使い分けられているのかについては、ごく一部を除いてほとんど未解明のままである。本研究は、線虫をモデルとした網羅的なスクリーニングおよび機能解析により、線虫においてMAPキナーゼカスケードを活性化する酸化ストレスセンサーを個別に同定し、それがMAPキナーゼカスケードをそれぞれどのように活性化し、その結果何が誘導あるいは抑制されているのかを明らかにすることを目標としていた。本年度は、酸化ストレスによって修飾を受けるセンサーの候補を同定し、これがp38型のPMK-1 MAPキナーゼカスケードの上流で機能するMAPKKKのさらに上流で機能することを見いだした。ちなみにこの因子は、PMK-1の上流にある2つのMAPKKKのうち、片方MAPKKKの上流でのみ働いていた,さらに酵母2-ハイブリッド法を用いたスクリーニングにより、上記の酸化ストレスセンサー候補の下流で機能する側のMAPKKKに結合する新規因子を同定し、それも酸化ストレスによるPMK-1の活性化に必要であることを見いだした。一方、JNK型のKGB-1 MAPキナーゼカスケードについては、昨年度までにKGB-1 MAPキナーゼが転写因子FOS-1をリン酸化することを見いだしていたが、本年度の解析によりFOS-1による転写制御が負の制御であること、さらにKGB-1はFOS-1をリン酸化して不活性化することにより、結果的に銅依存的に転写誘導を行うことを明らかにした。
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Research Products
(4 results)