2010 Fiscal Year Annual Research Report
ATPおよびGTPの酸化体による細胞内シグナル伝達機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
21117512
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土本 大介 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (70363348)
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Keywords | 2-OH-ATP / 8-oxo-GTP / 細胞死 / 細胞増殖抑制 / p38MAPK / 酸化ストレス |
Research Abstract |
(1)ATPの酸化的脱アミノ化体であるイノシン三リン酸(ITP)結合タンパク質の網羅的探索により新たなイノシンヌクレオチド分解酵素ヒトNUDT16タンパク質を同定し、NUDT16の発現抑制によりHeLa MR細胞が増殖抑制と核ゲノムDNAの不安定化を示すことを明らかにしNucleic Acids Research誌において発表した。 (2)ITP分解酵素ITPA欠損マウス由来の初代繊維芽細胞において増殖速度の低下と染色体不安定化、ssDNA抗体に対する反応部位の増加を観察し、継代中にマウスNUDT16の発現上昇に依存してこれらの現象が消失することからイノシンヌクレオチドによる細胞障害を哺乳動物細胞ではこれら2種類の酵素により防いでいることを明らかにし、Nucleic Acids Research誌において論文発表した。 (3)NUDT16またはITPAの欠損により引き起こされるゲノム不安定性がDNA修復酵素の働きによるものであることを明らかにした(投稿準備中) (4)ATPの酸化体2-OH-ATPを分解する活性を持つMTH1を欠損したマウス由来の繊維芽細胞を用い、ヌクレオシド型である2-OH-adenosineをこの細胞の培地に加えるとMKK3/6のリン酸化に続くp38MAPKのリン酸化と、それに依存する細胞増殖抑制および細胞死が誘導されることを明らかにした。更にその際にMKK3/6をリン酸化する上流酵素を探索するための系を開発した。 (5)8-oxo-GTPを含むヌクレオチドに結合するタンパク質として新規がん関連タンパク質PRUNE2を同定し、Journal of Molecular Neuroscience誌において論文発表した。
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Research Products
(9 results)