2009 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素シグナル解明のためのピンポイントNO類ドナー
Publicly Offered Research
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
21117514
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 秀彦 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (80281674)
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Keywords | シグナル伝達 / 有機化学 / 一酸化窒素 / ケージド化合物 / 光化学 |
Research Abstract |
本年度は、独自の光制御NOドナーについて改良と最適化を進め、二光子吸収で作動する新規なNOドナーを開発すること、ミトコンドリアに分布する新規なNOドナーを開発すること、および、NOドナーの光反応性を拡張し通常の光励起によるONOO-放出反応を開発すること、の2点を具体的目標とした。 光制御NOドナーについて、二光子吸収の性質を示す化合物を利用する分子設計を行ったニトロベンゼン型NO放出化合物Flu-DNB、および、二光子蛍光分子に特徴的な構造である電子求引性官能基-電子供与性官能基が交互に連結した構造をもつ新規なニトロベンゼン型NO放出化合物4種(TB1-DNB、TB2-DNB、DB1-DNB、DB2-DNB)を合成し、パルスレーザー照射による二光子励起条件下でNO放出能について検証したところ、Flu-DNBが合成化合物中もっとも効率よく二光子吸収によりNOを放出することが判明した。また、独自の光制御NOドナー構造と、ミトコンドリア蛍光染色剤の1つであるローダ民構造を組み合わせ、一光子吸収によりNOを放出するミトコンドリア特異的NOドナーRpNOを設計合成した。RpNOの局在性について検討した結果ミトコンドリアに分布することが判明し、さらに光応答性について検討したところ一光子励起によってNO放出を起こすことを確認した。 また、光制御ONOO^-放出化合物の開発のため、一光子によるONOO^-放出反応の開発を行った。ニトロベンゼン型NOドナーを基にした分子設計により、NOを放出したあと酸素を還元してスーパーオキシドを生成する設計とした。さらに、実際にこの化合物(DiP-DNB)を合成し、ONOO^-が生成するか検証したところ、光照射に依存してONOO^-様反応種を生成することが判明した。
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Research Products
(5 results)