2009 Fiscal Year Annual Research Report
ROS生成酵素の網羅的解析に基づく植物の活性酸素シグナルネットワークの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
21117516
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
朽津 和幸 Tokyo University of Science, 理工学部・応用生物科学科, 教授 (50211884)
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Keywords | 活性酸素種 / シロイヌナズナ / 異種発現系 / 低分子量Gタンパク質 / 活性酸素種生成酵素 / NADPH oxidase / カルシウムイオン / タンパク質リン酸化 |
Research Abstract |
植物には、積極的な活性酸素種(ROS)生成を担うNADPH oxidaseの酵素本体として、rboh(respiratory burst oxidase homolog)が存在し、シロイヌナズナには10種のアイソザイムAtrbohA-Jがある。私達はヒトHEK293T細胞異種発現系を構築し、AtrbohD,Cが、Ca^<2+>結合と自身のリン酸化により相乗的に活性化することを明らかにした。さらに他の7種の分子種についても、異種発現解析により、ROS生成活性を持つことを明らかにし、その活性制御機構の解析を進めたた。一方rbohには、低分子量Gタンパク質Rac/ROP等のタンパク質が結合し、活性制御に関与する可能性が示唆されている。そこで、AtrbohのROS生成活性制御におけるAtRac/ROP等の活性制御候補因子の機能や、Ca^<2+>・リン酸化による制御との関係を明らかにすることを目的に、異種共発現系の構築を試みた。HEK293T細胞にAtrbohとconstitutively active型やdominant negative型AtRac/ROPを共発現させ、ROS生成活性を指標に種々のAtRac/ROPの機能を評価した。ROS生成制御機構の解明において、異種共発現系が有効に活用可能なことが明らかとなった。一方rbohの活性制御にはCa^<2+>の結合とリン酸化以外にも、特にN末端細胞質領域において複数の制御因子との相互作用が関与する可能性がある。そこで、感染防御応答や気孔閉鎖等に関与するAtrbohD,AtrbohFのN末端領域と相互作用する因子を酵母two-hybrid法により単離を試み、これまでに,相互作用候補因子として19種を単離した。異種共発現解析系を用いて、rbohのROS生成活性に対する候補因子の共発現の影響について検証を試みている。
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Research Products
(12 results)