2009 Fiscal Year Annual Research Report
水和状態の摂動によるアクトミオシンキネティクスの変化
Publicly Offered Research
Project Area | Water plays a key role in ATP hydrolysis and ATP-driven functions of proteins |
Project/Area Number |
21118503
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 光二 Chiba University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50302526)
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Keywords | ミオシン / アクチン / モーター蛋白質 / 水和 / kinetics / ATP |
Research Abstract |
「ATP加水分解にともなうミオシンのアクチン繊維にそった運動における水和のはたす役割」を検証するためにショ糖を添加し水和状態を変化させたとき,ミオシンの運動速度がどのように変化するか、また、そのときのアクトミオシンATP加水分解のkineticsはどのように変化するかをいろいろな速度をもつミオシンに対して行い、水和がATP加水分解によるアクトミオシン運動にはたしている役割の一般化をおこなう。本年度は昨年8月に申請が受理されてから実験を開始した。in vitro運動アッセイにおいてショ糖を添加し水和状態を変化させたときの運動速度がどのように変化するか調べた。ミオシンはクラスVIIIに属するシロイヌナズナのATMを用いた。in vitro運動アッセイにおけるショ糖濃度が1.0M,1,5M,1.75M,2.0Mと上がるにつれて、驚くべきことにミオシンの速度は80%,60%,40%,20%,と落ち、ショ糖濃度が2.0Mのときはまったく動かなかった。ショ糖濃度が2.0Mのときは自由に動ける水分子の割合は50%と予想できる。このことから水和状態がATP加水分解にともなうミオシンのアクチンにそった運動になんらかの役割を果たしている可能性を示唆できた。では、なぜ、本当に水和の影響か?そうだとしたら水和がアクトミオシンATP加水分解kineticsのとこに効いているのか?を調べるために今後は、ショ糖以外の物質、たとえばグリセロール、PEGでも調べ、また、速度がおちた原因をストップドフローを用いたkineticsで調べる予定である。
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