2009 Fiscal Year Annual Research Report
ATPおよびATPアナログの分光法による水和特性評価
Publicly Offered Research
Project Area | Water plays a key role in ATP hydrolysis and ATP-driven functions of proteins |
Project/Area Number |
21118505
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森本 展行 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00313263)
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Keywords | ATP / ATPアナログ / 水和 |
Research Abstract |
高エネルギー化合物であるアデノシン-3-リン酸(ATP)のタンパク質との結合・加水分解、さらには、その細胞内での挙動解析が、学術的・応用的観点からなされてきた。しかし、そのATPの加水分解反応における高エネルギー性の由来という根本的問題の解決がなされていない。そこで本研究では、水和がATPの高エネルギー性に起因すると考え、その理論構築に与える基礎実験データの蓄積を第一の目標に据える。具体的には、ATPおよびATPアナログを各種の水溶液条件下においてNMRおよび蛍光法を用いた解析を行う。一方で、ATPアナログを設計・合成してその特性を解析することで、ATPの有する高エネルギー性の水和理論の補完を目指す。さらに、これらの水和変化の観点より設計したATPアナログを用い、ATP応答駆動型ナノバイオマテリアルの創製を試みる。まず、アルキル鎖修飾したATPアナログを調製することで集合体(ミセル)を形成させ、さらに各種の蛍光プローブを疎水性の核に内包させて、キレート形成時や加水分解時におけるミクロ流動性などの状態変化を追跡する。昨年8月の研究開始後、PFG-SE MR測定による測定法の習得および改善とともに、合成室の整備を行い、蛍光性アナログの合成を開始した。当初予定していた一段階反応によるATP誘導体の合成は、精製の手間と収率の観点より変更することとした。AMP誘導体の合成し、この化合物に対してピロリン酸を付加するという合成経路に変更した。現在、AMP誘導体の合成・精製に成功し、その界面活性能について確認した。
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Research Products
(7 results)