2009 Fiscal Year Annual Research Report
水和したミオシンの高分解能構造と周辺情報の可視化
Publicly Offered Research
Project Area | Water plays a key role in ATP hydrolysis and ATP-driven functions of proteins |
Project/Area Number |
21118518
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
安永 卓生 Kyushu Institute of Technology, 大学院・情報工学研究院, 教授 (60251394)
|
Keywords | 水和 / ミオシン / ATP / 電子顕微鏡 / 高分解能構造 / 周辺構造 |
Research Abstract |
クライオ電子顕微鏡法は、水和したタンパク質の構造を明らかにできる強力な構造解析法のひとつである。本研究では、分子モータであるミオシン及びアクチンとの複合体の高分解能構造を解明することを目的とすると共に、その情報を用いて、周辺情報を可視化できるかどうかを検討する。これにより、分子モータである水和状態にあるミオシンの構造とATP加水分解にともなうエネルギー変換のメカニズムについて、構造学的な観点から議論が可能となる。現在、アクチン/ミオシン(鶏)硬直複合体について、クライオ電子顕微鏡法と単粒子解析法を用いて、その分解能が1ナノメータを超え、解明することができた。今回までの分解能で、複数のαヘリックスの位置が同定できるようになっている。ミオシン単独(車軸藻)の分子に関しては、1.5-2nmの分解能である。さらに、平均に寄与する分子数を増やし、分解能の向上を目指している。また、SRMD (Spatially-restricted molecular dynamics)を用い、原子モデル構築を進めている。さらに、モデル構築が完成した際に、周辺状況との情報の組み合わせが可能となるように、静電ポテンシャルの計算のためのプログラム(DelPhi)の導入を行った。これ以外のソフトウェアも検討しながら、現在、電子顕微鏡画像との組み合わせ方法について検討を進め、必要なプログラムの開発を進めている。これらの技術を統合して、水和状態のタンパク質の構造解析と周辺情報の抽出に関する新しい手法を提案することが可能となる。
|
Research Products
(5 results)