2009 Fiscal Year Annual Research Report
皮質電位、機能画像融合による表情認知ネットワークの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
21119508
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
鎌田 恭輔 Asahikawa Medical College, 医学部, 教授 (80372374)
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Keywords | 機能MRI / Tractography / 脳磁図 / 脳皮質電位 / 時間-周波数解析 / 言語 / 高次脳機能 |
Research Abstract |
顔認知に関わる脳部位として紡錘状回、上側頭溝などが報告されているが、脳部位間の関係を調べるには、時間分解能と空間分解能がともに高い皮質電位(Electrocorticography ; ECoG)や脳磁図(Manetoencephalography ; MEG)が有用である。本研究では顔認知と表情認知を対象とする顔認知の際にECoG、MEG、機能的MRI(functional MRI ; fMRI)を用いて脳活動領域の局在などを解析した。さらに、海馬近傍部の活動に着目して記憶機能との関連性を検討した。男性と女性、familiarとunfamiliarな顔、表情顔と中性顔からなる標準化された顔画像データベース(Eckman and Friesen, Facial Action Coding System, 1978)を用いる。1ブロックでは男女の表情顔と中性顔をランダムに提示して性別に対してボタン押しをさせる。2ブロックでは1ブロックと同じ顔画像を提示して表情の有無に対してボタン押しをさせて、ECoG、MEG、fMRIの計測を行う。その他3,具象語/抽象語クラス分け(文字読み)、4,物品名称,5,記憶課題、に加え、6,familiarとunfamiliarな顔認知課題を行う。サンプリング周波数1kHzで海馬を含む脳全体のECoGを計測し、100回ほどの刺激提示を行う。顔呈示(1)と文字呈示(3)加算平均結果では顔刺激呈示後170-200msecに右紡錘回優位に電位変化を認めた。顔刺激で誘発される反応は文字呈示課題と比較して統計学的に有意な電位変化であった。さらにfamiliarとunfamiliarな顔呈示(6)ECoGのsubtractionを行うと600msec付近で海馬近傍に統計学的に優位な陰性波を認めた。顔呈示ECoGに対して時間-周波数解析を行うと170-200msec付近にβおよびγ帯域成分の増加を認めた。さらに400-800msecの潜時ではγ帯域のみの持続する活動を認めた。しかし、電気刺激マッピングにより相貌失認等の顔認知機能の障害は誘発されなかった。症例数を増やすとともに、さらに詳細なデータ解析を行う予定である。
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Research Products
(17 results)