2009 Fiscal Year Annual Research Report
サルの怒り顔認識に関する行動/遺伝子研究
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
21119511
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川合 伸幸 Nagoya University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (30335062)
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Keywords | サル / 怒り顔 / 遺伝子 / 個人差 / セロトニン / 恐怖 |
Research Abstract |
本研究では、ヒトが怒り顔を早く検出するという現象が、ニホンザルでも見られるかを検討するというものである。H21年度は計画にしたがい、実験で使用するサルの表情の撮影と、遺伝子の採取・分析を行った。 1) サル表情撮影: 実験で用いるサルの顔として、中立な顔、怒り顔、服従をしめす3種類の表情を、同一個体から各8枚以上になるように、サルを個別に実験箱に入れて撮影・加工した。さらに、優位個体、劣位個体、中位に位置する個体が必要なため、合計7個体のサルの顔を撮影・加工した。 2) サルの遺伝した多型性の解析 京都大学霊長類研究所のニホンザル24頭から血液サンプルを抽出し、PCR法でDNAを増幅した後、ターゲットとなる特定DNA領域のシークエンスの読み取りを業者に委託して行った。2個体のデータが読み取り不能であったため、以下の報告は22個体のシークエンスに基づいている。当初のターゲットであったセロトニントランスポーターのプロモーター領域(5-HTTLPR)に長短の多型はなく、全個体がアカゲザルのL型に相同な配列であったが、3か所に一塩基置換多型(SNP)が見つかった。上記の解析に加え、脳内のセロトニン量に影響を与える可能性があるDNA領域として、セロトニンコード領域に隣接する非翻訳領域およびモノアミン酸化酵素A遺伝子(MAOA)のシークエンスも解析した。MAOAには繰り返し配列が認められ、7回、6回、5回の多型が確認できた他、5か所のSNPも見つかった。また非翻訳領域においても少なくとも5か所のSNPが見つかった。 H22年度は、読み取り不良であった個体のデータの再解析を依頼するとともに、行動実験を実施し、こうした繰り返し配列やSNPとの関連を分析する予定である。
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[Presentation] Snake Fears Revisited : Shifts in Received Wisdom2009
Author(s)
Burghardt, G., Kawai, N., Shibaskai, M., Mori, A., Masataka, N.
Organizer
The 5th Snake Ecology Group meeting
Place of Presentation
Cascade Lake 4-H Camp, Donnelly, Idaho, USA
Year and Date
20090718-20090720
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