2010 Fiscal Year Annual Research Report
顔の錯視の探索的研究
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
21119522
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北岡 明佳 立命館大学, 文学部, 教授 (70234234)
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Keywords | 顔の錯視 / 視線方向の錯視 / アイシャドー / アイライン / 顔倒立効果 / 顔ガクガク錯視 / 表情における口優位性効果 / 表情における眉優位性効果 |
Research Abstract |
錯視は、形、色、明るさ、運動、立体、空間などの視覚の諸属性にわたって見られるが、近年その独立性が確立された顔という属性における錯視研究は少ない。本研究では、ホロウフェース錯視など少数しか知られていなかった「顔の錯視」に本格的に取り組むことを目的とした。具体的目標は、未知の顔の錯視の発見に努め、顔の錯視の種類を研究着手時に比べて飛躍的に増加させることであった。結果として発見あるいは再発見によって知識として整備された錯視としては、視線方向の錯視(アイシャドーによる同化的効果と対比的効果、アイラインによる同化的効果と対比的効果、瞳孔の位置による同化的効果、プルキンエ・サンソン像の同化的効果、渡辺錯視など)、顔倒立効果(さかさま顔の過大視、さかさま顔の鼻短縮効果、さかさま顔の平板化効果など)、「顔ガクガク」錯視、目の表情の口・眉優位性効果、斜め顔の過大視、上下方向のウォラストン錯視、上下方向の充血錯視などである。いくつかの錯視は、研究代表者の錯視の概説書「錯視入門」(2010年朝倉書店刊)の中で発表した。定量的研究としては、さかさま顔の過大視と顔ガクガク錯視の実験を行なった。現在それらの結果を論文にまとめて投稿中あるいは投稿準備中である。さかさま顔の過大視については、さかさま顔と正立顔の置き方による差はなく、さかさま顔は正立顔に対して数%の統計学的に有意な過大視であった。一方、輪郭のみの場合もわずかな過大視が見られ、この差は統計学的に有意であった。
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