2009 Fiscal Year Annual Research Report
工学的画像生成技術を利用した顔の感性認知過程の実験的検証
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
21119523
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Research Institution | 仙台高等専門学校 |
Principal Investigator |
伊師 華江 仙台高等専門学校, 建築デザイン学科, 准教授 (10435406)
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Keywords | 顔画像 / 感情認知処理 / 高次印象 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「美しさ」や「魅力」など高次の顔印象の認知特性について、心理学的手法を用いて明らかにすることである。本年度は、物理的な特徴量との対応付けが比較的容易である多様な低次の顔印象(目や鼻などの局所的な形態や、輪郭などの大まかな全体情報にもとづいて得られる印象)の調和のとれたバランスによって高次の顔印象が規定されると仮定する印象階層性の観点から、顔の魅力認知について検討した。多様な表出を有する個人の顔画像を評価刺激とし、48名の評定者の心理評定データ(魅力度評定値およびSemantic Differential法による印象評定値)を分析した。まず、高次の顔印象である魅力評定値を分析した結果、評定者間の一致度が比較的高かったことから、ある一定の共通した内的基準にもとづいて評定者が魅力度を評価していたことが明らかになった。次に、主観的な魅力度を目的変数、複数の印象因子の因子得点を説明変数として重回帰分析を行い、高次の顔印象である魅力度評価に関わる低次の印象要因について検討した。その結果、表出がもたらす顔の形態的差異に依存して魅力度評価に関わる印象タイプの影響力が異なる傾向が示された。本成果は、顔認知に関わる感性的処理の特性の一端を示すものとして、第14回日本顔学会大会およびThe Third International Workshop on Kanseiにおいて報告された。また、本結果の一般性について、顔の個人差を排除した平均顔を利用して様々な角度から検討するため、評価刺激となる合成画像の準備を進めた。
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