2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウィリアムズ症候群における顔ならびに社会性の認知の検討
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
21119529
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Research Institution | Institute for Developmental Research |
Principal Investigator |
中村 みほ Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center, 機能発達学部, 室長 (70291945)
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Keywords | ウィリアムズ症候群 / 顔認知 / 顔倒立効果 / 脳磁図 / biological motion |
Research Abstract |
ウィリアムズ症候群における顔認知について、脳磁図、脳波による検討を実施した。特に、定型発達者において認められる顔倒立効果の出現の有無に着目した。顔倒立効果とは正立顔に対する反応潜時に比して倒立顔に対するそれが遅れる現象であり、現在解析途中であるが、発達のレベルによって、顔倒立効果が出現する場合としない場合があることが推察されている。今後さらに被験者を増やし検討の予定である。また、biological motionの知覚に関しても検討を行った。ウィリアムズ症候群患者一名において、biological motionの知覚がintactであることが脳磁図により確認できているが、より多くの本症候群被験者において実施するため、心理物理実験課題を制作中である。また、顔認知に代表される視覚認知腹側経路の機能と視覚認知背側経路の機能を比較検討するため、背側経路の機能である、立体視、位置の認知機能を客観的に測定しうる方法を検討中である。指標として三次元図形のmental rotationの課題を用い、その知覚の障害の有無の検討を22年度に実施する予定である。その準備として、刺激提示ソフトの開発を行った。 これら、顔認知の所見、また、社会性の認知の基礎的指標となるであろうと考えられるbiological motionの知覚の有無、さらには背側経路の障害の障害をはじめとするその他の臨床所見(特に視空間認知障害の所見)等の所見をgenotypeと比較検討することは今後の疾患解明にとって有用であると考える。これらのphenotypeと、ウィリアムズ症候群において欠失するとされている遺伝子部位との相関を検討するため、一部研究協力者において欠失部位の同定に着手した。
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Research Products
(7 results)