2009 Fiscal Year Annual Research Report
慣性分級捕集を用いた排出ガス中超微小粒子の成分分析と生成成長機構への核粒子の影響
Publicly Offered Research
Project Area | Impacts of aerosols in East Asia on plants and human health |
Project/Area Number |
21120502
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
関口 和彦 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 助教 (50312921)
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Keywords | 超微小粒子 / 慣性フィルタ / 成分分析 / アルミニウムイオン / 大気観測 / 固定発生源 / スモッグチャンバー / 核粒子 |
Research Abstract |
実施した研究概要 これまで一般大気用に用いてきた慣性フィルタ(INF)に対して高濃度測定のための改良を行い、その性能評価試験を室内実験ならびにバックグラウンド大気にて行った。さらに、固定発生源からの影響評価のための大気観測に加え、次年度実施するチャンバー実験のための実験系の構築を行った。 得られた成果 硫酸アンモニウム粒子を対象とした室内実験、ならびに、バックグラウンド大気におけるフィールド試験において、超微小粒子(UFP)捕集に一般に用いられるNano-MOUDIと本研究で使用されたINFサンプラーに対して装置比較を行った。UFP捕集成分(OC、EC、NH^<4+>、SO_4^<2->)の濃度比較を行った結果、INFサンプラーがUFP捕集に対して大きな損失や濃度低下を招くことはなく、優れた性能を有することが確認された。さらに、フィルタの種類、抽出条件(超音波使用等)においては、Nano-MOUDIで用いるアルミニウムフィルターからAl^<3+>が溶出し、SO_4^<2->と塩を形成することで、SO_4^<2->の濃度低下を招いている可能性が示唆された。INFサンプラーは、後段のフィルターを自由に選択できること、さらに、均一な捕集も可能であることから、これらアーティファクトの観点から見ても有用なUFP捕集手法であることが示された。 これら結果を踏まえ、INFサンプラーを用いた固定発生源近傍でのUFP大気観測(PM_<2.5>も同時に観測、)をタイ山間部(移動発生源影響の無い地域を選択)において行った。捕集サンプルの成分分析については、次年度に継続的に行う。また、これら成分の成長機構を解明するためのチャンバー実験を次年度計画していることから、スモッグチャンバー系ならびに導入する核粒子の発生系の構築も併せて行った。
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