2010 Fiscal Year Annual Research Report
慣性分級捕集を用いた排出ガス中超微小粒子の成分分析と生成成長機構への核粒子の影響
Publicly Offered Research
Project Area | Impacts of aerosols in East Asia on plants and human health |
Project/Area Number |
21120502
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
関口 和彦 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50312921)
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Keywords | 超微小粒子 / 慣性フィルタ / 成分分析 / アルミニウムイオン / 大気観測 / 固定発生源 / スモッグチャンバー / 核粒子 |
Research Abstract |
実施した研究概要 一般大気用に改良した慣性フィルタ(INF)を用いて、昨年度実施した固定発生源での超微小粒子(UFP)の大気観測に加え、本年度は、道路(交差点)近傍でのUFP大気観測を実施した。また、UFPの発生源からの生成機構の調査に関連して、金属核粒子の粒子生成、成長機構への影響を調査すべく室内でのチャンバー試験を実施した。 得られた成果 道路(交差点)近傍でのUFP観測においては、微小粒子(FP)とUFPの間に明らかな挙動の違いが確認できた。FPでは、不完全燃焼でガス状態を経ずに炭化したススであるchar-ECと高温状態でガス状態を経て核形成したsoot-ECの間に負の相関関係が得られたが、UFPにおいては、逆に正の相関関係が示唆された。この傾向は、FPとUFPが、異なる排出機構を経て自動車(特にディーゼル)から粒子生成されていることを示す結果であり、今後の大気挙動を知る上で重要な知見となった。また、チャンバー実験においては、トルエンの光酸化実験において、窒素酸化物(NOx)濃度が二次粒子(SOA)の生成速度に依存することは以前から報告されていたが、既存粒子としてAuナノ粒子を導入した場合には、NOx高濃度条件においてもSOAの生成速度が格段に増加する結果が得られた。燃焼を伴う発生源では、NOxだけでなく金属ナノ粒子がガスとともに排出されているケースが多く、発生源近傍でのSOA生成において、これら既存核粒子が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)