2009 Fiscal Year Annual Research Report
エアロゾルの脳卒中発症に及ぼす影響に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Impacts of aerosols in East Asia on plants and human health |
Project/Area Number |
21120505
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北園 孝成 Kyushu University, 大学病院, 講師 (70284487)
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Keywords | エアロゾル / 黄砂 / 脳卒中 |
Research Abstract |
近年、大規模化し、飛来頻度も増加している黄砂による様々な健康影響に対する関心が高まっている。本研究では、福岡脳卒中データベース研究(Fukuoka Stroke Registry ; FSR)の参加7施設から得られた脳卒中発症に関する詳細なデータを用いて、日本における黄砂飛来の有無と脳卒中発症リスクとの関連を検討することを目的とする。また、脳卒中症例の属性を考慮した解析により、どのような対象集団が黄砂の影響を受けやすいのかを明らかにする。 本年度はこれらの解析を行うために、FSRのデータ収集ならびに解析を行うとともに、気象データの収集を行った。現時点で平成11年6月から平成19年5月までに入院した発症24時間以内の脳梗塞症例4,831例のデータ入力を完了した。これらの症例の平均年齢は72.1歳、男性が59.4%を占めていた。脳梗塞病型はラクナ梗塞28%、アテローム血栓性脳梗塞24%、心原性脳塞栓症30%、分類不能例18%であった。各月の発症数を日数で除した値を用いている。その結果、脳梗塞の発症は8月に最も少なく、11月に最も多い傾向があることが明らかになった。次に脳梗塞病型毎に同時期の月別発症数を検討したが、病型毎に月別発症数は異なるパターンを示していた。これまでに平成19年の環境データを解析し、各施設に近い場所での月別のSPM、NO_x、NO2、SO2濃度を集積した。脳卒中臨床データならびに環境データは順調に収集されている。平成22年3月までに平成11年6月~平成21年5月までの6,500例の登録が完了する予定である。今後、これらの臨床データと環境データを解析し、エアロゾルの脳卒中発症への影響について検討をすすめていく予定である。
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