2009 Fiscal Year Annual Research Report
エアロゾル前駆体評価のための大気ラジカル反応性の計測に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Impacts of aerosols in East Asia on plants and human health |
Project/Area Number |
21120507
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松本 淳 Tokyo Metropolitan University, 戦略研究センター, 准教授 (70402394)
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Keywords | 大気ラジカル / 反応性 / 窒素酸化物 / 二次有機エアロゾル / 競争反応法 / レーザー誘起蛍光法 |
Research Abstract |
多様な揮発性有機化合物VOCを前駆体とする大気中での二次粒子生成を把握するには、VOCのラジカル反応性としての評価が有効である。本研究では、これまでの経験・知見を活用し、LIF-NO2を用いたOH,03反応性計測法を新たに実現する。今年度は以下の研究を実施した: 1) 既存のNOx分析装置を活用したOH,03反応性の分析を試みた。OHまたは03に対するVOCとNOまたはNO2の競争反応において、LIF-NO2計またはCLD-NO計によってNO2またはNOの変化量を測定して、OHまたは03の反応性を算出した。その結果、濃度既知のシクロヘキサン標準ガスについてLIF-NO2計にて計測されたOH反応性が、文献値の反応速度と良く整合することを確認し、OH反応性計測試験に成功した。また、二段反応管を用いることで、スチレン標準ガスに関する03反応性測定試験に成功した。しかし、リモネンのように二次的にラジカルを生成する成分に関しては、NOx濃度への影響が無視できないことも示された。こうした寄与を低減するための条件最適化、および多様な成分に関する試験が今後の課題である。 2) HF-NO2計を活用した粒子数の測定を目指し、酸化チタン/ハイドロキシアパタイトを塗布したNO2除去管を作成した。 3) 大気中での二次粒子生成の再現を目指し、ガラス管を用いた簡便な反応管を試作した。 以上の成果を踏まえて、次年度はラジカル反応性と粒子生成の関連を調べる研究を目指す。
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Research Products
(3 results)