2009 Fiscal Year Annual Research Report
航空機観測による窒素化合物の東アジア地域における時空間変動解析
Publicly Offered Research
Project Area | Impacts of aerosols in East Asia on plants and human health |
Project/Area Number |
21120508
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
定永 靖宗 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (70391109)
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Keywords | 航空機観測 / 総反応性窒素酸化物 / 東アジア / 硝酸 |
Research Abstract |
平成21年度では、まず、航空機観測で用いるNO_y,ガス状硝酸(HNO_3(g))測定装置の確立を行った。硝酸の除去に用いるナイロンフィルターの捕集効率を実験的に求めたところ、ほぼ100%の効率で硝酸が捕集されることを確認した。一方、干渉物質として懸念されるPANのナイロンフィルターへの捕集効率は3%未満と見積もられ、無視できるレベルであることも確認できた。 平成21年10月14,15,17日に長崎県五島福江空港を基地局としてAO2-PO7班と共同で航空機観測を計3フライト行った。高度は500,1000,2000,3000mであり、それぞれの高度で水平飛行および環状飛行を行った。上空での硝酸のガス・粒子分配は大方の場合、ガス状硝酸の割合が高かったが、大陸からダストが飛来した10/17のフライトについては、粒子状硝酸塩(NO_3^-(p))の割合が高い結果となった。これは、ガス状硝酸がダスト粒子に取り込まれて粒子状硝酸塩の割合を上昇させたことが考えられる。 また、10/17のフライトにおいて、ダスト粒子の指標としてCa^<2+>を用い、その濃度とNO_3^-(p)/NO_yについての関係を調べたところ、両者の間には良い正の相関が見られた。この結果は、HNO_3(g)とNO_3^-(p)との分配がダスト濃度によって支配されていたことを示唆していると考えられる。
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