2010 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスで発現が変化する褐虫藻のタンパク質の同定
Publicly Offered Research
Project Area | Coral Reef Science for Symbiosis and Coexistence of Human and Ecosystem under Combined Stresses |
Project/Area Number |
21121503
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
神保 充 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (10291650)
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Keywords | 温度ストレス / 褐虫藻 / サンゴ / 発現タンパク質 / 二次元電気泳動 |
Research Abstract |
サンゴはしばしば、褐虫藻と呼ばれる藻類と共生している.しかし,この共生関係が崩れると白化が起り、場合によってはサンゴ自体が死ぬこともある.この原因は、褐虫藻の消失やその光合成色素の消失によると考えられている.したがって、白化する際には,褐虫藻自体に変化が生じていると考え、温度上昇による褐虫藻タンパク質の発現の変化について検討することとした.褐虫藻CS-156株を25℃で培養した後、旧ごとに2℃ずつ温度を上げていき,各温度でのタンパク質の発現を二次元電気泳動で検討することとした.その結果、発現タンパク質は,29℃でタンパク質が最も多く発現した後、33℃では全体的にタンパク質の発現が減少する傾向が見られた.即ち、培養温度を上昇させることにより、褐虫藻の発現タンパク質が減少すると示唆される.Takahashiらは,培養温度が高くなると褐虫藻の色素タンパク質acpPCの新生が低下することを見いだした.今回の実験では、この結果が発現タンパク質全体に対して起っている可能性が示唆される.また,得られた各スポットについて,定量を行ったところ、相対的に発現量が減少するスポットが6個観察された.これらのスポットのうち35.4 kDa,pI 5.7のスポットは、すでに発現が変化することが報告されている色素タンパク質がであると示唆された.31.2 kDa,pI 4.6のスポットについてde novo sequencingによりアミノ酸配列分析したところ,DSCTS,およびM A/F G Qという配列が得られたが,タンパク質を同定するには至らなかった.
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