2009 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴの熱ストレス応答の分子レベルでの網羅的解析
Publicly Offered Research
Project Area | Coral Reef Science for Symbiosis and Coexistence of Human and Ecosystem under Combined Stresses |
Project/Area Number |
21121505
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
新里 宙也 Okinawa Institute of Science and Technology, マリンゲノミックスユニット, 研究員 (70524726)
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Keywords | サンゴ / ストレス / ゲノム / 白化現象 / 遺伝子発現応答 |
Research Abstract |
サンゴの白化現象は海水温、光、塩分濃度など様々な要因が複雑に絡み合った様々な要因が複雑に絡み合った「複合ストレス」で引き起こされる事が示唆されている。複合ストレスを理解する為には、まず「単一」のストレスでのサンゴの応答メカニズムを解明する事から始めるべきだと考えた。本研究では白化現象の最大の要因であるとされる「海水温の上昇」に注目し、サンゴの熱ストレス応答を分子レベルで詳細に明らかにする事を目的とする。実験材料として沖縄に普通に生息し、ゲノムプロジェクトが進行中で分子レベルでの研究基盤が最も整っているサンゴ、コユビミドリイシを用いる。 21年度はコユビミドリイシ、Acropora digitiferaの遺伝子データベースの充実を図る事に主に集中した。様々な発生ステージと成体から単離したmRNAを、二種類の次世代シークエンサー(454, illumina)により解読した。これまでに次世代シークエンサーによるトランスクリプトームの解析は、あまり報告されておらず、その手法確立も行った。その結果、約55,000のユニークな配列を取得した(N50 size : 794bp,最長11, 151bp)。これらのデータは、コユビミドリイシのゲノム配列からの遺伝子予測にも用いられ、現在約33,000の遺伝子が予測されている。このように当該年度は、コユビミドリイシの熱応答メカニズムをゲノムワイドに解析を行う上での、基盤となりうるデータを得る事が出来た。
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