2021 Fiscal Year Annual Research Report
Archaeological Research on the Uruk Expansion in East Iran
Publicly Offered Research
Project Area | The Essence of Urban Civilization: An Interdisciplinary Study of the Origin and Transformation of Ancient West Asian Cities |
Project/Area Number |
21H00010
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
安倍 雅史 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 保存計画研究室長 (50583308)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 文明形成 / 交易 / ウルク文化 / カレ・クブ遺跡 / メソポタミア / イラン |
Outline of Annual Research Achievements |
前4千年紀のウルク文化期に、南メソポタミア(現在のイラク南部)に世界最古の文明であるメソポタミア文明が誕生した。しかし、南メソポタミアは、年間降水量が200mmにも満たない乾燥地であり、またチグリス河とユーフラテス河が運んだ泥が堆積してできた巨大な沖積平野である。そのため、文明生活に必要不可欠な資源(金属や良質な木材、貴石など)がほとんど存在せず、誕生したばかりの都市国家群は、資源を求め、周辺地域に進出し、交易拠点を建設していった。 私たちが、2018年から発掘調査をしているイラン東部、南ホラーサーン州のカレ・クブ遺跡は、現在、確認されているなかで最東端のウルク文化の交易拠点として、現在、学界で注目を集めている。南メソポタミアからは直線距離にして1000km以上離れており、その間には、険峻なザグロス山脈と広大なカヴィール砂漠が横たわっている。 今年度は、過去2シーズンの発掘資料の整理、分析を行い、また、第3次調査も実施した。その結果、最果てのウルク文化の交易拠点の様相が明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本プロジェクトは、2021年度、2022年度の2カ年計画のプロジェクトである。2021年度は、コロナ禍のため、イランに一切渡航ができず、計画が大幅に遅れた。しかし、2022年度には、カレ・クブ遺跡の第3次調査を実施し(イランの研究協力者であるホセイン・アジジ・ハラナギ氏が中心となってイラン側のみで実施)、さらに、イランに渡航して、過去の発掘による出土資料の分析を行った。その結果、研究の遅れを大幅に取り戻すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
科研費は、2023年度に繰り越す予定である。カレ・クブ遺跡の第4次発掘調査を実施し、出土資料の分析を行い、本来計画した内容を完遂するつまりである。
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