2022 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of electron-proton correlation characteristics in the self-assembled bilayer
Publicly Offered Research
Project Area | HYDROGENOMICS: Creation of Innovative Materials, Devices, and Reaction Processes using Higher-Order Hydrogen Functions |
Project/Area Number |
21H00024
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 浩之 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80300862)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 電子-プロトン相関物性 / 水素結合 / 導電性分子 / 表面分光 / 走査トンネル顕微/分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、プロトン・ドナー分子/アクセプタ分子からなる異種二分子膜を自己組織化的に製膜する技術を確立し、外部電場によるプロトン移動の誘起および導電性制御の実証に挑戦するものである。分子間のプロトン移動は、ドナー分子/アクセプタ分子の双方の電子状態に大きな変化を与える。特に導電性分子では、プロトン移動が分子の導電性の変化に直結するため“電子-プロトン相関系”となることが期待される。そこで本研究課題では、独自に製膜した異種二分子膜を用いて、プロトン移動に伴う導電性制御の実証と、内在する物理化学の解明を目標とする。 2022年度は、当新学術領域研究の最終年度である。第1期では、良好な異種二分子膜の製膜条件を確立するとともに、導電特性を計測する装置の整備を進めた。第2期の本課題では、製膜した二分子膜に対し「プロトン移動の誘起と導電性制御」の実証実験を進めた。本年度の実験では、走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて、昨年度に見い出すことができた異種二分子膜の電界応答を精査した。昨年度の実験では、電界応答をSTMの定電流モードで観測していたため、電界応答が電導性の変化に起因していることの他に、分子配向変化で電界応答が得られている可能性が否定できなかった。そこで2022年度は、観測電圧にモジュレーション信号をくわえ、ロックイン検波によって導電特性のマッピング観測に挑戦した。その結果、異種二分子膜の電界応答は、明確に導電性の変化に起因していることを確認した。さらに、導電性変化のヒステリシス特性について、新学術領域研究内の共同研究の下で理論計算による検討を進めたところ、電界誘起によるプロトン移動には活性化障壁が存在するために、ヒステリシスが生じることを定性的に裏付けることができた。これらの結果を総合的に判断し、目標とした「プロトン移動の誘起と導電性制御」を実現することができたと結論した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)