2022 Fiscal Year Annual Research Report
大規模シミュレーションによる原始惑星系円盤の大域的構造の解明
Publicly Offered Research
Project Area | A Paradigm Shift by a New Integrated Theory of Star Formation: Exploring the Expanding Frontier of Habitable Planetary Systems in Our Galaxy |
Project/Area Number |
21H00056
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
岩崎 一成 国立天文台, 天文シミュレーションプロジェクト, 助教 (50750379)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 原始惑星系円盤 / 磁気流体力学 / 惑星形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は以下の2つテーマについて研究をおこなった。 (オーム散逸と両極性拡散を考慮した原始惑星系円盤の大域円盤シミュレーション) 2022年度は,富岳を用いて前年度より2倍解像度の高い大域円盤シミュレーションを実行した。円盤内側の磁気乱流が発達する活性領域と,円盤外側の磁気乱流が抑制されるデッドゾーンの両方を計算領域内に含む。非理想磁気流体効果の係数分布が滑らかになるように前年度の計算設定を改良した。前年度におこなった低解像度シミュレーションと整合的な結果が得られ,数値的な収束性が確認された。具体的には,活性領域とデッドゾーンはステップ関数的に不連続に接しているのではなく,デッドゾーンの内側領域に遷移層が出現し,そこでは磁束がほとんど消失し,ガス降着がほぼ完全に抑制されることがわかった。その他磁束輸送の結果などと合わせて,研究成果について現在学術論文を執筆中である。 (ホール効果を含めた非理想磁気流体効果を考慮した原始惑星系円盤の大域円盤シミュレーション) ホール効果を考慮したシミュレーションを安定実行するためのコード開発をおこなった。前年度のホイッスラー波の線形解析により,時間3次精度のスキームを使うと安定的にホイッスラー波が解けることが判明した。さらに円盤を一部を抜き出し,せん断流は考慮しつつ曲率は無視するshearing-box近似をおこなったシミュレーションと,大域円盤2次元シミュレーションによりテスト計算をおこなった。その結果,shearing-boxシミュレーションと大域円盤シミュレーションともに,時間3時精度スキームでは数値的な不安定性が発生することが判明した。その後,数値流束にホイッスラー波に起因する数値散逸を入れつつも,空間3次精度で空間的な精度を確保する方法を実装した結果,不安定性が抑えられ良好な結果を得た。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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