2021 Fiscal Year Annual Research Report
kink strengthening with three-dimensional shaped kinks via torsional extrusion
Publicly Offered Research
Project Area | Materials science on mille-feullie structure -Developement of next-generation structural materials guided by a new strengthen principle- |
Project/Area Number |
21H00088
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安藤 大輔 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50615820)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マグネシウム / LPSO / 長周期積層構造 / ミルフィーユ構造 / キンク強化 / ねじり変形 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではミルフィーユ物質群をキンク強化材料にするための最適塑性加工プロセス確立を目的とし、温間押出加工中にねじり変形が付与される『温間ねじり押出加工』を種々の温度で行った場合のキンク形態およびその分布に関して調査し、温間押出加工では得られないほどの超強化を目指している。その理由は、単純ねじり変形が最も小さな相当ひずみ量で大きな材料強化をしている可能性に着目した一方で、鋳造材にねじりを加えると鋳造欠陥で容易に割れてしまい、押出材に後からねじりを加えると再結晶したα-Mg のみが変形し、ミルフィーユ構造に大きなねじり変形を与えられなかった。そこで、押出ながらねじることができればミルフィーユ組織に三次元キンクが形成できるのではないかと考えた。温間押出加工のダイスを変更することで、押出加工中にねじり加工を加えることができる「温間ねじり押出加工」を実施して、通常の押出加工では得られない方向へのせん断も加えることで、キンク形成量を増やすこと、二次元欠陥のキンクを形成軸とは違う向きにねじって三次元化して形成形態を変えることでミルフィーユ物質群の超強化を狙った研究を行っている。本年度は通常の押出加工と押出比は同じだが、押出出口部のダイスでねじり変形するサンプルとしないサンプルを準備して、その強化量を測定した。加工温度は350℃として、ねじり角度は90°とした。その結果、ビッカース硬度としては、通常押出材よりもねじり押出材の方が高かったが、圧縮変形においてはその関係性が逆転した。さらに、ねじり押出材は通常押出材の2-3倍の圧縮破断伸びを呈することが分かった。その理由は、通常押出材ではキンク変形が局在化して早期に材料的に座屈するが、ねじり押出材ではキンク変形が材料内部に均一に形成されることが影響していると考察している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実験は計画通りに進捗している。その中で、強加工法であるねじり押出を実施することでキンクがたくさん導入されて材料強化が一層高まる、つまりそのトレードオフで延性は落ちると考えていた、しかしながら、押出方向での圧縮変形ではキンク変形帯の均一形成によって延性が大幅に上昇する結果が得られた。これは当初予想していなかった結果であり、従来のMg合金における強度-延性バランスを凌駕させる加工法になりえる。本年度は、圧縮変形以外の機械特性も調査する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、LPSO単相材であるMg-9Y-6Zn(at.%)を対象にねじり変形をねじり角90°で実施した。今年度は、α-Mg/LPSO複合材であるMg-2Y-1Zn(at.%)も対象に加え、さらにねじり角180°のねじり押出も実施する予定である。また、加工温度も350℃に固定していたので、より高温、低温でのキンク形成状況並びにその強化量を測定して、ミルフィーユ物質群をキンク強化材料にするための最適塑性加工プロセス確立を検討する。
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