2021 Fiscal Year Annual Research Report
Lifetime measurement of light hypernuclei using a kaon beam
Publicly Offered Research
Project Area | Clustering as a window on the hierarchical structure of quantum systems |
Project/Area Number |
21H00129
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
橋本 直 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (20732952)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ハイパー核 / ハイパートライトン / J-PARC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では ハイパートライトン(陽子、中性子、Λ粒子1つずつの束縛状態) 及びハイパー四重水素(陽子1つ、中性子2 つ、Λ粒子1つの束縛状態) をK-中間子ビームをヘリウム3/4標的に照射することで生成し、その崩壊時間から寿命を高精度で決定することを目指す。特にハイパートライトンはΛN相互作用のベンチマークとなる状態であるが近年の重イオン実験で報告されている寿命と束縛エネルギーのデータを統一的に理解することができていない。我々はK中間子ビームを用いた新しい手法で高精度のデータを提供することでストレンジネスを含むバリオン間力の理解に貢献する。 我々は2020年度にヘリウム4標的にK-ビームを照射し、新たに設置した前方の電磁カロリメータにより高エネルギーガンマ線を検出することでハイパー核の生成をを効率的にタグすることができることを実証した。2021年度はこのデータ解析を進めハイパー四重水素の寿命の導出に成功した。さらに、2021年6月には液体ヘリウム3を標的として短期間のデータ取得し、より生成断面積の小さいハイパートライトンの生成を確認することに成功した。ハイパートライトンの寿命測定には5倍以上のビーム照射量が必要であり、この本実験に向けた実験装置の最適化の検討を進めた。特に、標的最近傍に反応点検出器を導入することがバックグラウンド低減に有効であることがわかったため螺旋状のプラスチックシンチレーションファイバーを用いた検出器の開発を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハイパートライトンの寿命測定に向けて予定通り実験原理検証と実験準備を完了することができ、ビームタイムの配分を待つばかりである。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年夏前に予定されている他の実験のビームタイムで新規導入した検出器のビーム試験を行う。その上で、2023年度後半以降に想定される物理ランでハイパートライトン寿命測定データを取得し、ハイパートライントンの寿命を決定する。
|