2021 Fiscal Year Annual Research Report
荷電粒子の捕集・輸送装置の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Toward new frontiers : Encounter and synergy of state-of-the-art astronomical detectors and exotic quantum beams |
Project/Area Number |
21H00160
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥津 賢一 東北大学, 理学研究科, 助教 (00838568)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 装置開発 / 荷電粒子輸送 / ミュオン / ミュオン触媒核融合 / 固体水素標的 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では新たに電場を利用した荷電粒子輸送装置を開発、実証を行い、特に従来の電場や磁場を利用した荷電粒子の制御方法では難しかった面上から等方的に放出される荷電粒子を効率的に輸送可能な荷電粒子輸送装置の開発を行う。実証実験では電子源または分子イオン源を用い、電子線、イオンビームの軌跡を確かめ、シミュレーションとの比較を行う。 開発中の荷電粒子輸送装置は荷電粒子の運動エネルギーやその進行方向が非常に幅広い場合でも効率的に粒子を捕集し輸送できるものを目指しており、同軸輸送管に代表されるように高電圧印加された芯線と接地された輸送管による荷電粒子を電場による捕集しつつ誘導する装置を提案している。 本年度は開発中の荷電粒子輸送装置についてより詳細にシミュレーションを進め、より粒子輸送の特性などについて理解を進めている。また実験では荷電粒子としてイオンを使用した実験を準備しており、イオン源および加速用の電源の準備、試験を進めている。 シミュレーションでは研究計画当初より、より正確なシミュレーションが可能となり、実際の実験環境、電場環境を模擬した計算を実施している。これは特に実証実験において輸送装置への入射粒子の初期条件に対する実際の到達位置を求める上で非常に重要である。一方で電子源を用いた試験では磁場による影響を受け、磁場による影響を受けにくいイオン源を用いた試験へ変更を進めている。 今後、実際にイオンビームを用いてシミュレーションによる軌跡と実際のイオン到達位置、エネルギー依存性について調べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画ではシミュレーションと実証実験の両方を目指している。シミュレーションは研究計画当初よりより正確なシミュレーションが可能となり、実際の実験環境、電場環境を模擬した計算を実施している。一方で実験では当初電子源を用いた試験を起こったが、真空計などの磁場による影響を非常に受けやすく、実証実験で使用する上で理想的な荷電粒子としては難しい部分が明らかとなった。そこでイオン源を使用した実験を実施するべくイオン源の開発を進めている。これらの状況から令和4年度中のイオンによる実証実験に向けて概ね順調に準備が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在イオン源の開発を進めており、それを利用して生成されるイオンビームを用いた実験を検討している。実験では偏向電極により試験用の粒子輸送装置への入射を制御することを予定しており、それらに必要な機材の準備を進めている。 一方で当初計画では面線源状のものを利用した実験を計画していたが、放出される荷電粒子の濃度むらが大きく、その評価が難しいことからイオンビーム源を自在に制御し、様々な条件で入射される荷電粒子の挙動の追跡することで実証実験を展開することを予定している。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Time evolution calculation of muon catalysed fusion: Emission of recycling muons from a two-layer hydrogen film2021
Author(s)
T. Yamashita, K. Okutsu, Y. Kino, R. Nakashima, K. Miyashita, K. Yasuda, S. Okada, M. Sato, T. Oka, N. Kawamura, S. Kanda, K. Shimomura, P. Strasser, S. Takeshita, M. Tampo, S. Doiuchi, Y. Nagatani, H. Natori, S. Nishimura, A. D. Pant, Y. Miyake, K. Ishida
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Journal Title
Fusion Engineering and Design
Volume: 169
Pages: 112580
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Design for detecting recycling muon after muon-catalyzed fusion reaction in solid hydrogen isotope target2021
Author(s)
K. Okutsu, T. Yamashita, Y. Kino, R. Nakashima, K. Miyashita, K. Yasuda, S. Okada, M. Sato, T. Oka, N. Kawamura, S. Kanda, K. Shimomura, P. Strasser, S. Takeshita, M. Tampo, S. Doiuchi, Y. Nagatani, H. Natori, S. Nishimura, A. D. Pant, Y. Miyake, K. Ishida
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Journal Title
Fusion Engineering and Design
Volume: 170
Pages: 112712
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] 野生動物の歯を用いた低線量被ばく推定法の開発2021
Author(s)
光安優典, 岡壽崇, 高橋温, 小荒井一真, 木野康志, 奥津賢一, 関根勉, 山下琢磨, 清水良央, 千葉美麗, 鈴木敏彦, 小坂健, 佐々木啓一, 漆原佑介, 鈴木正敏, 福本学, 篠田壽
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Journal Title
KEK Proceedings (第22回「環境放射能」研究会 Proceedings )
Volume: 2021-2
Pages: 91-96
Peer Reviewed
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[Presentation] Direct measurement of muon catalyzed nuclear fusion in thin deuterium film2021
Author(s)
K. Okutsu, T. Yamashita, Y. Kino, R. Nakashima, K, Miyashita, K. Yasuda, S. Okada, M. Sato, T. Oka, N. Kawamura, S. Kanda, K. Shimomura, P. Strasser, S. Takeshita, M. Tampo, S. Doiuchi, Y. Nagatani, S. Nishimura, A. D. Pant, Y. Miyake, K. Ishida
Organizer
36th Symposium on Chemical Kinetics and Dynamics
Int'l Joint Research
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[Presentation] Design of a charged particle transport method using electrostatic field2021
Author(s)
K Okutsu, T Yamashita, Y Kino, R Nakashima, K Miyashita, K Yasuda, S Okada, M Sato, T Oka, N Kawamura, S Kanda, K Shimomura, P Strasser, S Takeshita, M Tampo, S Doiuchi, Y Nagatani, H Natori, S Nishimura, A D Pant, Y Miyake, K Ishida
Organizer
32nd International Conference on Photonic, Electronic and Atomic Collisions (Virtual iCPEAC)
Int'l Joint Research
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[Presentation] ミュオン触媒核融合素過程計測へ向けた固体水素標的2021
Author(s)
奥津賢一, 木野康志, 中島良太, 宮下湖南, 安田和弘, 山下琢磨, 岡田信二, 佐藤元泰, 岡壽崇, 河村成肇, 神田聡太郎, 下村浩一郎, Strasser Patrick, 竹下聡史, 反保元伸, 土居内翔伍, 永谷幸則, 名取寛顕, 西村昇一郎, Amba Datt Pant, 三宅康博, 石田勝彦
Organizer
日本物理学会2021年秋季大会
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[Presentation] Observation of recycling muon in muon catalyzed nuclear fusion reaction2021
Author(s)
K. Okutsu, H. Natori, P. Strasser, K. Miyashita, K. Yasuda, R. Nakashima, T. Yamashita, Y. Nagatani, N. Kawamura, S. Kanda, S. Nishimura, S. Okada, T. Oka, M. Tampo, K. Ishida, M. Sato, K. Shimomura, Y. Miyake, Y. Kino
Organizer
Pacifichem2021
Int'l Joint Research