2021 Fiscal Year Annual Research Report
In vivo immune cell tracking in meningeal lymphatic vessels in mouse models of dementia and brain tumor
Publicly Offered Research
Project Area | Toward new frontiers : Encounter and synergy of state-of-the-art astronomical detectors and exotic quantum beams |
Project/Area Number |
21H00175
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
水間 広 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (00382200)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生体イメージング / 中枢リンパ系 / SPECT / 神経変性疾患 / 脳腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は以前の研究で中枢神経系リンパ管の生体における「真」の循環動態を明らかにするため放射性核種を用い宇宙観測技術をベースにした高性能の単一光子放射断層撮影(SPECT)装置によるイメージング法の開発を目指した。マウス髄腔内への放射性核種投与法および撮影法を確立し、小動物用の高性能SPECT装置を用いて、世界で初めて高精細な循環動態画像を取得した。本研究では開発されたイメージング法を医学研究応用へと展開すべく、認知症および脳腫瘍の疾患をターゲットとし、病態進行により変化する複数種の免疫系細胞の動態を同時に可視化することを目的とする。 特に脳病態時における免疫細胞の応答機構を高性能SPECT装置にて可視化するため、免疫細胞(T細胞や樹状細胞)へのガンマ線放出核種の標識法の確立を目指す。細胞標識方法には金属性核種であるインジウム111(In-111)に対し、オキシンやp-イソチオシアネート-ベンジルデスフェリオキサミン等の配位子を用い錯体形成させ、細胞とのインキュベーションにより標識する方法を基本的に用いる。標識された各免疫細胞はマウス髄腔内に微量微量注入し、免疫細胞イメージングを行う。本研究により、認知症や脳腫瘍における中枢神経リンパ系の機能的役割を明らかにし、新たな診断技術の創出および治療戦略モデルの構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、マウス中枢神経系リンパ管の免疫細胞イメージング法確立に向けた初期段階として、免疫系細胞、特にT細胞への放射性核種標識の最適化に着手した。ガンマ線放出核種であるIn-111は金属性核種であり、配位子に錯体形成させることにより安定化する。配位子にはオキシンの他に新規化合物を用い検討した。In-111のオキシンまたは新規化合物への錯体形成率は90%以上の条件を確認した。これら錯体化合物をマウスT細胞へ標識するため、T細胞は安楽死したマウスから採取したリンパ節および脾臓より回収した。T細胞への標識は一定量を得られたことを確認した。今後は、標識細胞をマウスへ投与し、撮像を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫系細胞標識で使用する配位子の検討は継続して行い、特に標識後の免疫系細胞の生存率、機能性維持の向上を目指す。また、マウス髄腔内投与および撮像法はこれまでの研究からすでに確立されているため、当初の計画通り、病態モデルマウスとして認知症モデルおよび転移性脳腫瘍マウスへ標識細胞を投与し、小動物用高性能SPECT装置および従来の小動物SPECT装置で投与後数回撮像し、細胞集積の経時変化を調べる予定である。また、撮像後にマウスの脳脊髄周囲および頸部リンパ節の組織標本を作製し、免疫組織化学染色を実施し、SPECT画像分布との比較検討を行う予定である。
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Research Products
(1 results)