2022 Fiscal Year Annual Research Report
社会性行動における小脳の情報処理の多階層的理解
Publicly Offered Research
Project Area | Constructive understanding of multi-scale dynamism of neuropsychiatric disorders |
Project/Area Number |
21H00181
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
國松 淳 筑波大学, 医学医療系, 助教 (50632395)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 霊長類 / 眼球運動 / 連合学習 / 小脳 / 報酬 |
Outline of Annual Research Achievements |
発達障害の一つである自閉症スペクトラム障害の原因として、小脳の異常が多くの研究から報告されている。しかしながら、小脳は運動機能については多くの知見がある一方、社会性および認知機能に果たす役割についての理解が乏しい。 これを調べるために本研究では、マカクザルに視覚運動連合課題を訓練し、その遂行中に小脳外側部の出力核である歯状核から単一神経細胞外記録を行った。この行動課題では、図形と左右どちらかの眼球運動が連合されており、サルは図形を手掛かりに課題に成功しなければならない。小脳歯状核から536個の単一神経活動を記録したところ、およそ20%のニューロンは図形に対して一過性または持続的な視覚応答を示した。このうち一過性の応答は、既に連合を十分に学習した図形と、新たに連合を学習する図形の間で差がなかったが、持続的な活動は新しい図形に対して有意に活動を増強させていた。また、この持続的な活動は過学習の図形に対しては方向選択性を示さなかったが、学習中の図形に対しては方向選択性を示した。また、この方向選択性は前試行の結果を反映して変化していた。 上記の結果から、視覚運動連合学習に小脳歯状核ニューロンの持続的な視覚応答が関与していることが明らかになった。同様の学習は、自閉スペクトラム症や統合失調症で障害されることが報告されており、本研究で明らかになった小脳外側部の視覚応答がこれらの病態に関係している可能性がある。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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