2021 Fiscal Year Annual Research Report
Multiscale analysis of the relationship between brain immune cells and aggression
Publicly Offered Research
Project Area | Constructive understanding of multi-scale dynamism of neuropsychiatric disorders |
Project/Area Number |
21H00183
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 阿貴 筑波大学, 人間系, 准教授 (30581764)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 攻撃行動 / ミクログリア / 背側縫線核 / 雄マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、精神疾患と免疫系の関係が徐々に明らかになってきており、様々な精神疾患において免疫系の異常が報告されている。攻撃性についても免疫系の関与が相関的に示されているが、そのメカニズムはほとんど分かっていない。本研究は、攻撃性の個体差を生み出すメカニズムとして、脳内免疫細胞であるミクログリアの役割をマルチスケールな観点から明らかにすることを目的とする。 申請者らのこれまでの研究から、背側縫線核(DRN)における内在性のIL-1βが攻撃行動を低下させ、そのIL-1βはミクログリア由来である可能性が示されている。そこで本研究では、DRNのミクログリアが攻撃行動にどのような影響を与えるかを検討することにした。ミクログリア特異的な操作を可能とするために、まずミクログリア特異的にCreを発現するマウス系統を共同研究により導入した。導入された系統は攻撃性が低かったことから、今後ICR系統との交配により攻撃行動がある程度出現するようにした段階で、操作実験を行う予定である。本年度は、本研究の遂行のための準備を整える段階となった。 また、ミクログリアの存在が攻撃行動に与える影響を明らかにするために、薬理学的にミクログリアを欠損させる実験を行っている。ミクログリア除去群とコントロール群各10匹ずつの行動実験が終わり、現在その解析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CX3CR-1-CreERTマウスの導入に時間がかかったことと、IVFにより導入されたマウスの攻撃行動を調べたところ、攻撃性が低いことがわかったことから、ICR系統との交配が必要となったことから、当初の計画と比べ多少遅れが生じている。しかしながら、本研究計画の遂行のための準備がそろったといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
a) DRN内ミクログリア除去の攻撃行動への影響 DRNにおけるミクログリアを局所的に除去するために、ミクログリア特異的Cre発現マウス(CX3CR-1-CreERT)に対し、Cre依存的にジフテリア毒素受容体を発現するAAV(AAV-FLEX- DTR-GFP)をDRNに感染させ、DTAを腹腔投与する。攻撃行動を検討するとともに、攻撃場面におけるストレス応答がどのように変化しているか、血中コルチコステロンの測定を行う。 b) 攻撃個体と非攻撃個体のミクログリアの遺伝子発現解析 攻撃個体と非攻撃個体のDRN内ミクログリアの違いを生み出しているメカニズムを明らかにするために、MACSによりDRNのミクログリアを単離し、RNAseqを用いて網羅的遺伝子発現解析をおこなう。 c) 攻撃行動神経回路に及ぼす影響の検討 DRNミクログリアの活性変化により、DRNへのグルタミン酸入力が影響を受けるかを検討する。CX3CR-1-CreERTマウスを用いて、Cre依存的に興奮性(hM3D)もしくは抑制性(hM4D)のDREADDを発現させる。同時に、グルタミン酸センサー(iGluSnFR)発現AAVも感染させる。それにより、ミクログリアの活性化もしくは抑制化によって、攻撃行動がどのように変化するかを検討するとともに、攻撃行動中のDRNへのグルタミン酸入力がどのように変化するかを、ファイバーフォトメトリーにより検討する。
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[Presentation] Involvement the lateral habenula-dorsal raphe nucleus-ventral tegmental area projection in social instigation-heightened aggression in male mice2021
Author(s)
Aki Takahashi, Meghan E Flanigan, Tomomi Tsunematsu, Hossein Aleyasin, Yoan Cherasse, Ken Miya, Takuya Okada, Kazuko Keino-Masu, Michael Lazarus, Kenji F Tanaka, Akihiro Yamanaka, Sonoko Ogawa, Scott J Russo
Organizer
Neuroscience 2021
Int'l Joint Research
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[Presentation] Glutamatergic projection from the lateral habenula to the dorsal raphe nucleus escalates aggressive behavior of male mice.2021
Author(s)
Aki Takahashi, Meghan E Flanigan, Tomomi Tsunematsu, Hossein Aleyasin, Yoan Cherasse, Ken Miya, Takuya Okada, Kazuko Keino-Masu, Michael Lazarus, Kenji F Tanaka, Akihiro Yamanaka, Sonoko Ogawa, Scott J Russo
Organizer
第44回日本神経科学大会/CJK第1回国際会議
Int'l Joint Research
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[Presentation] 雄マウスの攻撃行動の個体差と脳内免疫細胞の関係2021
Author(s)
Takahashi A, Aleyasin H, Stavarache MA, Li L, Cathomas F, Parise LF, Lin H, Burnett J, Aubry A, Flanigan ME, Brancato A, Menard C, Pfau ML, Kana V, Wang J, Hodes GE, Ogawa S, McEwen BS and Russo SJ
Organizer
2021年度遺伝研行動遺伝学研究会
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