2021 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害の病態生理の分子-シナプス-細胞レベルのマルチスケール構成的理解
Publicly Offered Research
Project Area | Constructive understanding of multi-scale dynamism of neuropsychiatric disorders |
Project/Area Number |
21H00188
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三國 貴康 新潟大学, 脳研究所, 教授 (90786477)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
発達障害の病態を理解し、その治療法を開発することは、神経科学研究の大きな課題の一つである。発達障害の病態として、発達期のシナプスの成熟異常が考えられている。しかし従来の研究は、「細胞のごく一部のシナプスを対象とする研究」か「細胞全体の入出力の総和を解析する研究」である。ゆえに、シナプスレベルの理解と細胞レベルでの理解には、依然として階層(スケール)のギャップが存在している。そこで本研究では、この階層のギャップを埋める新たなアプローチを創出し、個体の脳内の1神経細胞で数千個のシナプスの成熟度を網羅的に理解できるようにする。そのうえで、申請者がこれまでに開発した生体脳内ゲノム編集・分子イメージング技術SLENDR/vSLENDR、生体脳でのモザイク病態細胞モデリング技術、およびSLENDR/vSLENDR用の豊富なゲノム編集ライブラリーを有効に組み合わせることで、発達障害の病態メカニズムを分子-シナプス-細胞のマルチスケールで一気通貫に理解することを目指している。2021年度はまず、脳内シナプスの発達をホールセルで網羅的にイメージングする方法の開発を目指した。個体の脳内で細胞まるごとを高速イメージングするために、レゾナントスキャナによる2光子顕微鏡に、ベッセルビームを用いた2光子ボリュームイメージング法を組み合わせた(Lu et al., Nat Methods 2020)。これにより、個体の脳内の神経細胞で個々のシナプスの発達を分子レベルかつホールセルで網羅的にイメージングする準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に予定していた技術開発は、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
個体でのホールセル2光子ボリュームイメージングを確立し、これを用いて主要なシナプスタンパク質の局在を定量的に観察する。
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Research Products
(2 results)