2021 Fiscal Year Annual Research Report
Modeling psychiatric disorders with iPSC derived from patients
Publicly Offered Research
Project Area | Constructive understanding of multi-scale dynamism of neuropsychiatric disorders |
Project/Area Number |
21H00213
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
中澤 敬信 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (00447335)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 精神疾患 / トランスオミクス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で3q29欠失変異やPOGZ点変異により神経細胞の分化・発達異常および精神行動に障害が生じることを見いだしているが、その詳細な分子メカニズムは未解明であり、本研究では、その分子メカニズムを包括的に明らかにする計画である。具体的には、①分子神経科学的手法による神経機能の解析、および②電気生理学的手法による神経機能解析を包括的に実施し、患者iPS神経細胞の機能異常を明らかにする。さらに、トランスオミクス解析等、種々の解析により分子仮説を導きだし、その詳細な分子基盤を明らかにする。さらに、導き出した分子仮説の操作により、3q29欠失変異やPOGZ点変異マウスの精神疾患様行動異常が回復するか調べる計画である。本年度は、POGZ遺伝子座にde novo点突然変異を持つ患者から樹立したiPS細胞由来分化神経細胞を用いた解析を実施した。具体的には、POGZが転写調節因子であることが示唆されることから、POGZにより直接的に転写調節される遺伝子をChIP解析により網羅的に調べた。ChIP解析により抽出された遺伝子群のGene Ontology解析を実施したところ、iPS細胞由来の神経幹細胞や幼若神経細胞において、POGZが神経細胞の発達に関与するタンパク質をコードする遺伝子群、樹状突起の発達に関与するタンパク質をコードする遺伝子群、神経栄養因子の応答に関与するタンパク質をコードする遺伝子群の転写を直接的に制御する可能性があることが明らかになった。これらの標的遺伝子群が関与するシグナルネットワークを包括的に明らかにすることにより、精神疾患の分子病態の一端が明らかになることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
POGZ遺伝子産物の変異は自閉症と強く関連することが示唆されているが、脳におけるPOGZの機能は不明な点が多く残されている。本研究により、POGZが神経細胞の発達に関与するタンパク質をコードする遺伝子群を直接的に制御していることが明らかになった。本研究成果は、自閉症の分子病態を明らかにすることに貢献することが期待されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、精神疾患の分子病態を、患者iPS細胞由来の3次元脳オルガノイド、及び疾患モデルマウスを用いて、多階層的に明らかにしていく計画である。
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[Presentation] "POSTSYNAPTIC STRUCTURE FORMATION OF HUMAN IPS CELL-DERIVED NEURONS TAKES LONGER THAN PRESYNAPTIC FORMATION DURING NEURAL DIFFERENTIATION IN VITRO"2021
Author(s)
Kazuyuki Togo, Hayato Fukusumi, Tomoko Shofuda, Hiroshi Ohnishi, Hiroyuki Yamazaki, Mariko K. Hayashi, Nana Kawasaki, Nobuyuki Takei, Takanobu Nakazawa, Yumiko Saito, Kousuke Baba, Hitoshi Hashimoto, Yuko Sekino, Tomoaki Shirao, Hideki Mochizuki, Yonehiro Kanemura
Organizer
International sympoium Tokyo 2021, ISSCR
Int'l Joint Research
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[Presentation] Overexpression of VIPR2 in neurons causes defects in dendritic growth and cognitive impairment2021
Author(s)
Tatsunori Miyaoka, Lu Chen, Mei Yamada, Daichi Koan, Satoshi Asano, Kenji Ishimoto, Shinsaku Nakagawa, Atsuko Hayata, Takanobu Nakazawa, Akihiro Harada, Hitoshi Hashimoto, James A. Waschek, Yukio Ago
Organizer
7th Congress of AsCNP 2021
Int'l Joint Research
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