2021 Fiscal Year Annual Research Report
自己の神経回路基盤とその形成過程の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Constructive understanding of multi-scale dynamism of neuropsychiatric disorders |
Project/Area Number |
21H00222
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
松元 まどか 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 室長 (50311337)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マーモセット / ECoG / 聴覚野 / 前頭葉 / MEG / 神経ダイナミクス / 報酬 / 予測誤差 |
Outline of Annual Research Achievements |
「身体的自己」に関連する神経回路動作を詳細に解明するため、4頭のマーモセットに、前頭葉と側頭葉をカバーするようにECoG電極(96ch)を埋め込み、他個体の声と鳴きかわしを行っている際の皮質脳波を計測した。また、コントロール条件として、録音した自身の声を聴いている際の皮質脳波も計測した。実験個体が自ら発声している条件と、録音した自身の声を聴く条件の間で、ハイガンマ帯域の脳活動を比較したところ、発声時に聴覚野の活動が抑制されていることを明らかにした。さらに、発声時の前頭葉-側頭葉の機能的結合性に着目してGranger causality解析を行った。本研究結果は、2022年度の日本神経科学大会で発表予定である。 「拡張された自己」に関連する神経ダイナミクスを調べるため、健常対照者を対象として、(1)探索課題遂行遂行中のMEGによる脳活動計測(2)MRI計測(T1, T2, dMRI, rsfMRI, neuromelanin-sensitive MRI)を実施した。2021年度は、健常者約10名分のデータを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「マーモセットを用いた自己の神経回路の解明」のプロジェクトは予定通り進んでいるが、「自己の神経ダイナミクスとその形成過程の解明」のプロジェクトは被験者のリクルートが困難であったためデータ取得が少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
「マーモセットを用いた自己の神経回路の解明」のプロジェクトについては、発声時の前頭葉-側頭葉の機能的結合性に着目した解析をさらに行い、論文化する。「自己の神経ダイナミクスとその形成過程の解明」のプロジェクトについては、2022年度、健常者約30名分のデータを取得、データ解析を行い、論文化する。
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