2021 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン構造の核内観察
Publicly Offered Research
Project Area | Chromatin potential for gene regulation |
Project/Area Number |
21H00246
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤芳 暁 東京工業大学, 理学院, 助教 (70371705)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クロマチン / 1分子 / 超流動ヘリウム |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、生物顕微鏡の技術が飛躍的に進歩している。これは、2014年の超解像蛍光顕微鏡、2017年のクライオ電子顕微鏡の生物試料への応用がノーベル化学賞を受賞していることでも分かる。ところが実際には、超解像蛍光顕微鏡の分解能は分子レベルには1桁足りず、クライオ電顕を用いた単粒子解析では数万分子の平均値として原子モデルが得られるが、分子レベルの画像化法ではない。このような背景から、応募者たちのグループは15年かけて細胞内部を真に分子レベルで可視化できる超流動ヘリウム蛍光顕微鏡の開発をおこなってきた。その結果、前回の公募研究において、DNAオリガミを用いることで、ヌクレオソーム分解能の光イメージングに実証した。 当該課題の研究目的は物理学者・生物学者・化学者の三者協力により、前人未踏の細胞内の分子イメージングを実証し、クロマチンの機能を分子レベルで理解するための新しい方法論を確立することである。さらに、同一の細胞株に対して、ライブイメージングをおこなうことで、超流動ヘリウム蛍光顕微鏡で観察されたナノレベルの空間情報がクロマチン動態にどのように関係しているかについて研究することを目標としている。 本年度は、上記の研究目的を実現するために、(1)細胞内の分子イメージングを実現するために必須のオングスロームレベルの安定性とミリメーターの走査範囲を両立した位置センサーの開発と(2)生細胞観察のための光シート顕微鏡の励起光の光学シミュレーションおよび実験をおこなった。(1)、(2)共に順調に研究が進んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記の様に、(1)細胞内の分子イメージングを実現するために必須のオングスロームレベルの安定性とミリメーターの走査範囲を両立した位置センサーの開発と(2)生細胞観察のための光シート顕微鏡の励起光の光学シミュレーションおよび実験をおこなった。その結果、二つの技術共に十分な性能をもつ装置を開発することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、上記の二つの技術を用いて、極低温、生理条件の両面からクロマチン研究をしたいと考えている。
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Research Products
(3 results)