2021 Fiscal Year Annual Research Report
Screening for small molecule competitors of the phosphorylated substrates of beta-TrCP and their application for the induction of targeted protein degradation
Publicly Offered Research
Project Area | New frontier for ubiquitin biology driven by chemo-technologies |
Project/Area Number |
21H00295
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
渡邉 信元 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 嘱託職員 (90221689)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ユビキチン化 / 小分子探索 / タンパク質分解 / タンパク質間相互作用 / タンパク質リン酸化 / Fボックスタンパク質 / 蛍光タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにすでに開発していた、他のタンパク質のリン酸化に依存して結合するタンパク質の結合を阻害する小分子化合物の探索系を応用することによって、β-TrCPのリン酸化基質への結合に拮抗する小分子探索系を、β-TrCPのリン酸化ペプチドへの結合をハイスループットに測定する探索系として構築した。さらに、この系の有効性の検証をさらに進めた。 β-TrCPの阻害物質は文献上知られているものはほとんど無いが、その一つであるGS143について阻害能の確認を行い、それほど強くはないが(IC50=数十μM)、濃度依存の阻害を確認した。また、この探索系をもちいて、GS143誘導体および理研天然物ライブラリー(RIKEN NPDepo Library)の化合物について阻害物質の探索を行った。これまでの研究に引き続き約5,000の物質を探索し、結合を有意に阻害出来る物質を36化合物得ることができた。これらについてヒトWee1AのSCFβ-TrCPによるユビキチン化を阻害する活性を検討することで、阻害物質として有効な物質を7物質得ることができた。 なお、コロナ禍による緊急事態宣言の影響で、探索に必要なプラスチックプレートおよびピペットチップの納品が滞り、研究の進捗が遅れたため研究期間を2ヶ月間繰り越すことで予定を達成した。 また、その過剰発現が、がん化およびがん細胞の増殖維持を誘導することが知られるc-Mycがん遺伝子に着目し、そのユビキチン化依存分解誘導系の構築も行なった。具体的にはすでに構築しているc-Myc活性を細胞内で解析できる系を用い、細胞内でc-Myc活性を阻害出来る物質探索を行った。化合物ライブラリーおよび微生物二次代謝物の解析ですでにいくつかのヒット化合物を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による緊急事態宣言の影響で、探索に必要なプラスチックプレートおよびピペットチップの納品が滞り、阻害剤探索研究の進捗が遅れたため研究期間を2ヶ月間繰り越すことで予定を達成した。また、学会、シンポジウムなどが開催されなかったため、旅費、その他と予定していた費目の利用ができなかった。これらは次年度に利用する事とするため予算を繰り越した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で得られたβ-TrCP阻害物質について、本年度はその類縁体の解析を進める。そこから絞り込んだ物質が細胞内で機能できる事を、β-TrCP複合体によるユビキチン化を介した細胞でのβカテニンの分解、IκBの分解への影響を解析することで行う。これらの解析によりさらに強い結合能を有する小分子を取得しGleevecとの融合化合物の合成へと進める。この研究により、β-TrCPリガンドがBcr-Ablタンパク質のProtacとして機能できる可能性確認へと研究を進める。 その過剰発現ががん化およびがん細胞の増殖維持を誘導することが知られる c-Mycがん遺伝子に着目し、そのユビキチン化依存分解誘導系の構築も目指す。具体的にはすでに構築しているc-Myc活性を細胞内で解析できる系を用い、細胞内でc-Myc活性を阻害出来る物質探索を継続する。これまでの化合物ライブラリーおよび微生物二次代謝物の解析ですでにいくつかのヒット化合物を得ているので、これらの物質がc-Mycのユビキチン化依存分解を誘導することによって細胞内でc-Myc活性を可能性に着目し、その作用機作を明らかにする。具体的には化合物の投与後に起こるc-Myc分解に関与するキナーゼ類の阻害、キナーゼの活性化に関与する因子群の変動を解析し、分解に至る経路の詳細を解析する。
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Research Products
(9 results)