2021 Fiscal Year Annual Research Report
発達期の展望記憶の成功と失敗に関わる脳内ネットワークのダイナミクス
Publicly Offered Research
Project Area | Chronogenesis: how the mind generates time |
Project/Area Number |
21H00297
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 照男 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (40553756)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 展望記憶 / 子ども / 脳内ネットワーク / 動的脳結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
展望記憶は、将来実行すべき意図を適切なタイミングで思い出す未来の予定記憶である。本研究の目的は、展望記憶の成功に関わるメカニズム、未来に実行する意図の安定的保持の神経基盤、および未来に到達するまでに従事する処理と意図保持の間を変動するメカニズムを、それらの発達期の児童において検証することであった。課題関連の一過的脳活動ではなく、安静時の脳活動特性を対象にすることで、持続的処理と時間的変動がある処理の両方に対応した。これらにより、子どもが未来の記憶を保持しつつ、現在の処理に対応する中で、未来の記憶を思い出すことができるメカニズムが明らかになることが期待された。 当初計画通り、小学生の男女120名を募集し、展望記憶課題を実施し、MRI装置を用いた安静時脳活動を計測した。108名のデータが解析可能で、課題成績による群分けを行い、脳活動の群間差を検証した。動的脳結合解析、ダイナミックファンクショナルコネクティビティ解析を用いて、子どもにおける展望記憶の成功に関わる動的な神経基盤を検出できており、次年度の成果発表に向けて準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者募集は容易ではなかったが、十分なデータ取得ができ、それらの解析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
追加の解析も必要であるが、それらを含めて成果発表を予定している。学会発表、及び論文執筆を行う。
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