2021 Fiscal Year Annual Research Report
生きた組織の物質構成を変えながら弾性力を計測して『やわらかさ』の仕組みを理解する
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Soft Robot: interdisciplinary integration of mechatronics, material science, and bio-computing |
Project/Area Number |
21H00330
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田中 正太郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90380667)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 組織やわらかさ / スフェロイド / マイクロマニピュレーター / 遺伝子ノックダウン / 細胞変形観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではこれまでになかった『生きた組織の物質構成を変えながら弾性力を計測する技術』を開発し、『生体のやわらかさ』の仕組みを理解することを目的としている。本年度の実施計画は①細胞レベルでの弾性力実測技術の開発、および②遺伝子ノックダウンとの併用であり、いずれも達成した。具体的には、原子間力顕微鏡のカンチレバーをマイクロマニピュレーター先端に固定し、これを用いてスフェロイドを圧迫すると同時に共焦点顕微鏡で細胞およびレバーの変形を観察することで、スフェロイドの応力ひずみ曲線を作成することができた。またトランスクリプトーム解析によって明らかにしたスフェロイドの細胞外マトリクスタンパク質群のうち主要なもの(フィブロネクチン、コラーゲン2A1など)について遺伝子ノックダウンを行い、その細胞によって調製されたスフェロイドが野生型よりも柔らかくなっていることを明らかにした。関連する論文を2編発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、本年度の実施計画は①細胞レベルでの弾性力実測技術の開発、および②遺伝子ノックダウンとの併用であり、いずれも達成した。技術の最適化は完了し、現在はトランスクリプトーム解析結果より得たスフェロイドの遺伝子発現状況を根拠に、細胞外マトリクス関連タンパク質の遺伝子を順にノックダウンし、細胞変形とやわらかさを計測している。また当初計画していなかったものとして、同じスフェロイドについて走査電子顕微鏡にて細胞外マトリクスの構造解析を進めている。これによって「遺伝子発現・細胞外マトリクス構造・機械的特性・組織やわらかさ」の関係性を明らかにできるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
特に重要な遺伝子について上記の関係を明らかにして、論文発表する。関わる遺伝子群についても順次やわらかさに貢献するしくみを解明しする。さらに期間内にできる限り組織やわらかさ実測法の技術的確立を目指す。
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Research Products
(2 results)