2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanics of Wet Contact with Applications to Sticky/Slippery Object Manipulation
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Soft Robot: interdisciplinary integration of mechatronics, material science, and bio-computing |
Project/Area Number |
21H00333
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
平井 慎一 立命館大学, 理工学部, 教授 (90212167)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ウェットコンタクト / 動的粘弾性 / 粘着性 / べき乗則 / 同定 |
Outline of Annual Research Achievements |
動的粘弾性と粘着性の計測とモデリングに関する研究を進めた.ソフトロボットの材料として様々な粘弾性材料が用いられている.材料の変形特性や表面特性は,ソフトロボットの挙動に大きく影響する.したがって,動的粘弾性と粘着性のモデリングは,ソフトロボットの挙動の理解に重要である. 動的粘弾性に関して,新規購入した荷重―変位測定ユニットを用いて,ゲル素材サンプルの特性を計測した.測定ユニットのプローブとサンプルとの接触を保ったまま,プローブに周期的な変位を与え,対象に生じる荷重を計測した.変位の運動パラメータをカーブフィッティングにより算出する.変位と荷重をひずみと応力に換算し,各サンプルに対して動的な応力ひずみ曲線を得た.弾性と粘性がともにべき乗則に従うと仮定する.このとき,材料の特性は,5個のパラメータで表される.モデルによる計算値と計測値の誤差を最小化することにより,5個のパラメータの値を求めた.同定した値から応力ひずみ関係を求めた結果,モデルパラメータを同定できること,同定したモデルパラメータが応力ひずみ関係の計測結果を表していることがわかった. 粘着性を評価するためには,接触した状態から非接触の状態への遷移において,応力とひずみを計測する必要がある.そこで,プローブとサンプルが非接触の状態から計測を開始し,プローブが対象物を下方に押し込み,その後に上方に戻り,プローブとサンプルとの接触が失われるまでにおいて,測定ユニットを用いて荷重と変位を測定した.材料が同一で,表面の粘着性が異なるサンプルのペアに対して計測したところ,粘着性が高いサンプルほど,接触が失われるまでの応力の最大値や応力の積分値が大きいことがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動的粘弾性の計測とモデリングに関する研究,粘着性と摩擦の計測に関する研究は予定通りに進んでいる.粘着性と摩擦のモデリングに関する研究は着想段階であり,モデルの検証を含めて詳細な考察が必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
粘着性と摩擦のモデリングに関する研究を進めるとともに,粘滑物ハンドリングを考慮し,対象物の種類を増やして計測とモデリングを進める.アガー等の増粘剤を表面に塗布したエラストマーのサンプルを対象として計測を進める.また,実際の食材を対象として計測を行い,エラストマーのサンプルと比較する.これにより,食材の粘弾性や粘着性を反映するサンプルの製作を試み,サンプルを用いてソフトロボットハンドによる粘滑物ハンドリングを評価する. 粘着性のモデリングに関しては,非接触と接触との遷移の数学的な表現に,粘着力に対応する応力の最大値を組み込む.まず,非接触と接触との遷移を表す不等式を,常微分方程式に変換する手法において,力と変位を応力とひずみに換算する.さらに,粘着力に対応する応力の最大値により,接触と非接触を切り替えることを試みる.
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Research Products
(8 results)