2021 Fiscal Year Annual Research Report
Soft micropump using self-oscillating gel
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Soft Robot: interdisciplinary integration of mechatronics, material science, and bio-computing |
Project/Area Number |
21H00334
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田中 陽 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40532271)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロポンプ / 自励振動ゲル / 生物機械融合デバイス / 逆止弁 / 心筋細胞ポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はこれまで生体細胞や組織の機能を搭載したデバイスを開発してきた。これは、化学エネルギーのみで機能発現でき、自律的に駆動するという点できわめて特徴的であり、これまで、心筋細胞ポンプやミミズの筋肉を用いたポンプなどを開発してきた。だが、このような生体を用いたデバイスは、耐久性や倫理的な問題から実用化にはかなりの時間を要する。そこで研究代表者は自励振動ゲルに着目した。これは、化学エネルギーを力学エネルギーに転換することで周期的膨潤収縮振動を生み出すもので、大きな体積変化を起こせる。本研究では、この材料を心筋の代わりに用いることで、生体と同様自律的に駆動するマイクロポンプを実現する。 当該年度は、本年度は、自励振動ゲルの変位や発生力、振動波の特徴などを調査した。ポンプのデザインは、ゲルが膨潤したときにプッシュバー構造を押さえ、チャンバーを圧縮して流体を押し出し、逆止弁で一方向流れを生み出す機構とした。これは、ゲルの引っ張り方向の力を利用する場合はスペースが必要となり、小型化が難しいからである。そこで、バーの長さや直径を変え、ゲルをフリー状態で駆動させたときの横と上から見たとき膨潤率を複数カメラで、帯状に発生する膨潤部の幅や振動波の伝搬速度を計測した。次に、軸方向の力計測を行った。この力はポンプの直接の駆動力ではないが、ゲル自体の特性を把握する上で重要な指標となる。以上のように、ポンプ設計に向けたゲルの力評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、当初予定通り、自励振動ゲルの力を測定することができた。具体的には、棒状のゲルを作製し、化学反応によって伸縮する状態で、長軸方向と半径方向のいずれについても、動画やカンチレバーを用いた計測から、変位ならびに発生力、さらに速度を把握することに成功した。このような情報は、今後具体的にポンプやその他の自立駆動デバイスを設計試作する上できわめて重要な情報であり、デバイス開発が予定通り進むことが期待される。以上より、計画通りに研究が推進できたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回計測した発生力から、ゲルの膨潤収縮の力は0.1 mN以下とかなり小さいため、設計には工夫が必要である。具体的には、ゲルによって押し引きする膜であるダイヤフラム膜は柔軟な材料でかつできる限り薄く設計する必要がある。また、逆止弁も同様に、小さな変位でも十分に機能するように薄く設計する必要がある。このような点を意識してポンプやデバイスを開発していく。
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Research Products
(1 results)