2022 Fiscal Year Annual Research Report
Origin of the Basal Population of the Japanese Islands
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering Origin and Establishment of Japonesians mainly based on genome sequence data |
Project/Area Number |
21H00336
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大橋 順 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80301141)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 縄文人 / ゲノム / 変異 / PRS / 日本人集団形成モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
縄文人集団は現代の東アジア人集団の祖先とは早くに分岐した集団である。したがって、縄文人集団特異的な変異を現代日本人は受け継いでいると考えられる。本研究では、現代日本人のゲノム中から縄文人集団に由来する可能性の高い変異(以下、縄文人由来変異)を抽出し、縄文人由来変異を利用して現代日本人集団の形成過程、および縄文人集団の遺伝的特徴を明らかにすることを目的とした。 現代日本人は、縄文時代に日本列島に居住していた狩猟採集民と弥生時代以降に東アジア大陸から来た農耕民の2つの祖先集団をもっている。現在の日本人集団の形成過程を明らかにするために、要約統計量(ancestry marker index; AMI)を開発し、縄文人に由来すると思われる一塩基多型(SNP)208,648個を同定した。縄文人との混血比率は都道府県によって異なっており、これはおそらく縄文時代の集団サイズの差に起因していると考えられた。全ゲノムSNPアリル頻度情報に基づいて、縄文人集団と大陸系祖先集団における60種類の量的形質の表現型の推定値を求め、両集団間の差を評価した。中性脂肪値(TG)および血糖値(BS)のD値は縄文人で大きく、身長(Hight)、CRPおよび好酸球数(Eosino)のD値は縄文人で小さかった。これらの表現型は、それぞれの生業に遺伝的に適応したものと思われる。狩猟採集生活を行う縄文人集団は、稲作を行う大陸系祖先集団よりも中性脂肪や血糖値を維持することが難しく、そのために中性脂肪や血糖値を高くする遺伝因子が役に立った可能性があると考えられる。一方、大陸系祖先集団では農耕によって人口が増え、付随して家畜の飼育も行われるようになるため、縄文人の祖先と比較して細菌や蠕虫などの病原体に対する抵抗力を高める必要があり、大陸系祖先集団はCRPや好酸球数を増加させる遺伝因子を獲得したのかもしれない。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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