2022 Fiscal Year Annual Research Report
Variables of word order variations in Japonic languages
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering Origin and Establishment of Japonesians mainly based on genome sequence data |
Project/Area Number |
21H00352
|
Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
中川 奈津子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 准教授 (50757870)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 言語学 / 日琉諸語 / 類型論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、名詞標識と語順の分布について検討する。日本語の書き言葉は主格-対格型であることが知られているが、日琉語族の話し言葉には異なる格標示体系があることがわかってきた(下地 (2022) およびその参考文献)。津軽はDifferential Object Markingのある中立型(大槻, 2018)、関西は中立型(竹内・松丸, 2019)あるいは能格-絶対格型(Nakagawa, 2013)、宮古琉球はゼロ標識がほぼ出現しない主格-対格型(林, 2013)だと言われている。しかし、ほとんどの研究は少数の母語話者の直感に基づくものであり、実際の名詞標識の分布はまだ明らかではない。そこで、異なる格標識を持つ津軽(北東北[弘前])、関西(西日本[京都・大阪・兵庫])、宮古、与那国(南琉球)の各言語の名詞標識(話題標識・焦点標識・格標識)の分布を調査した。日本方言コーパス(COJADS: 木部ほか, 2016)のデータを手作業でアノテーションし、1994個の項(無助詞・有助詞含む)を確認した(津軽620個、関西876個、宮古141 個、与那国247個)。 本研究プロジェクトでは、語順と名詞標識の観点から日琉諸語の系統をたどるのは可能かという問いから出発した。少なくとも名詞標識については、系統的に近い津軽と関西、宮古と与那国の分布がお互いに似ているということはない。語順に関しては、予想されたことではあったがそもそも自然談話において1つの節に項が2つ以上現れることは極めて稀だったので、定量的な分析には適さなかった。今後は、残りのデータにもアノテーションを行い、分析の精度を高めてゆく。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)