2021 Fiscal Year Annual Research Report
Unravelling the dispersal process of buckwheat to Japan by whole-genome SNP analysis
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering Origin and Establishment of Japonesians mainly based on genome sequence data |
Project/Area Number |
21H00356
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
FAWCETT JEFFREY 国立研究開発法人理化学研究所, 数理創造プログラム, 上級研究員 (50727394)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソバ / ヤポネシア / 栽培植物起原学 / 集団遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、中国南西部に起原したソバ(フツウソバ:Fagopyrum esculentum)の日本および世界各地への伝播・拡散の過程を明らかにすることが大きな目的である。ソバのように中国南西部に起原し、1000年以上前に東アジアからヨーロッパに渡る広範囲に拡散した栽培植物は非常に珍しい。このためソバは歴史・民俗学的にも貴重な研究材料であり、共同研究者であるケンブリッジ大の考古植物学が専門の研究チームもソバの中国からヨーロッパへの伝播過程の研究を行なっている。
我々はこれまで既にリファレンスゲノムとして利用可能なソバ自殖系統の染色体レベルのアセンブリの構築、さらに中国南西部および周辺地域の在来種57系統、野生種47系統のゲノム配列を用いた集団遺伝学的解析を行い、中国南西部の中でも特に雲南省とチベットの境界あたりの野生種集団が栽培種の成立に寄与した可能性が高いことを明らかにしている。本年度はケンブリッジ大の研究チームと協議し、我々が日本の在来種69系統を含む農研機構から入手可能な94系統のシーケンシングを行い、ケンブリッジ大の研究チームが既に入手済みのヨーロッパを中心とした世界各地の在来種104系統のシーケンシングをそれぞれ行った。日本の系統は日本各地の在来種を網羅しており、対馬の在来種も複数含まれている。またケンブリッジ大がシーケンシングを行った系統には朝鮮半島、ロシア東部の在来種も多数含まれており、日本への伝播過程の解明に役立つであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定通りにサンプルを取得し、シーケンシングを行うことができたのに加え、イギリスの共同研究者が想定以上のサンプル数のシーケンシングを行うことになり、十分量のデータに基づいた解析が行えることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に我々は日本および世界各国のソバ在来種約100系統の全ゲノム配列決定を行いSNPを同定した。本年度は、これらに加え、以前に我々が SNPを同定した系統や共同研究者が同定した系統を統合し、PCA, Admixtureなどの集団遺伝学的解析を行う。その結果を受け、追加で主に日本 各地の在来種約50系統の全ゲノム配列決定およびSNPの同定を行い、それらを組み込んだ集団遺伝学的解析を行う。
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Research Products
(3 results)