2022 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子と自己組織化にもとづく花粉エキシンの立体構造の構築機構とその力学的特性
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of the strategies of mechanical optimization in plants toward the establishment of the bases for sustainable structure system |
Project/Area Number |
21H00365
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 澄衛 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (50260039)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 花粉 / 細胞壁 / エキシン / アラビノガラクタンタンパク質 / FIB-SEM / シロイヌナズナ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、FIB-SEMを用いたエキシンの3D画像の構築を行なった。減数分裂の数日後のシロイヌナズナの葯から小胞子を取り出し、固定、電子線染色ののち低融点アガロースの液滴に封入し、さらに樹脂包埋した。このサンプルを用いてFIB-SEM観察を行い、明瞭な画像の取得に成功した。成熟花粉のエキシンの表面が平滑であるのに対し、発生初期の小胞子のエキシン表面は細かく波打っていた。エキシンは最初は折り畳まれた構造として形成され、花粉の肥大に伴う表面積の拡大に伴って伸展し、平滑な構造になることがわかった。 アラビノガラクタンタンパク質(AGP)遺伝子TPFLAの六重変異体を作出したところ、小胞子の表面に観察されるAGPが減少するとともに、成熟花粉の変形や接着が生じた。TPFLAは花粉壁の発達や小胞子の接着防止に寄与するタンパク質であることが明らかになった。GFPレポーターを用いて各TPFLA遺伝子の発現解析を行い、花粉四分子期から遊離小胞子期の葯で発現が見られることを確認した。 シロイヌナズナのtap35突然変異体は成熟花粉のエキシンの網目が著しい断裂を起こす。原因遺伝子であるTAP35にGFPを連結して発現させたところ、TAP35-GFP融合タンパク質は減数分裂直後の小胞子でエキシンと同じ網目パターンを形成する様子が観察できた。この融合タンパク質はtap35変異体の表現型を回復させることも示された。TAP35タンパク質は形成初期のエキシンに構造タンパク質として含まれ、エキシンの網目構造を維持するのに寄与していると考えらえる。エキシンはスポロポレニンと呼ばれる樹脂でできていることがわかっているが、タンパク質もその構成要素として含まれることが明らかになった。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|