2021 Fiscal Year Annual Research Report
Novel tension spatial structures based on mechanical properties of tension wood
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of the strategies of mechanical optimization in plants toward the establishment of the bases for sustainable structure system |
Project/Area Number |
21H00369
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
張 景耀 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50546736)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 張力空間構造 / 構造最適化 / 引張あて材 / 成長戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題1「引張あて材の内部応力と樹形との力学的関係の解明」に対して、樹木の成長と金属3D プリントの双方で応力解析を行えるために、5・6 面体ソリッド要素を用いた増殖有限要素法を提案した。具体的には、以下の研究成果が得られた。 ① スギ内部の残留応力に対して、適切なパラメータとヤング係数の変動などを考慮したモデルで、計測データに見られる応力分布の傾向をよく捉えていることが分かった。 ② 増殖有限要素法を用いて、金属3D プリントにおける冷却収縮より生じた残留応力を導出した。ひずみおよび応力分布の解析結果は、実測値と概ね一致することを示した。更に、金属3D プリントを木状建築への応用として、その最大応力値を大きく減少させる結果も得られた。 課題2「新たな張力空間構造システムとその最適設計法の提案」に対して、以下の研究成果が得られた。 ③ 樹木が光に向かって成長するという光屈性を利用して、屋根を仮想光源として指定し、樹形のような分岐構造の生成法を提案した。更に、生成された形状の近傍において、意匠的に樹形を保ちつつ力学的性能を改善するため、構造最適化による形状生成法を提案した。 ④ 異なる材料の特性を活用した張力トラスに対して、体積および外力仕事の最小化に関する二目的最適化問題を定式化し、最適な位相および張力分布を決めるための最適化手法を提案した。特に、従来の静定トラスより、張力トラスの外力仕事と体積とも改善されることを示した。提案手法により、更なる高剛性の材料を利用することができ、より軽い構造の実現が可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに、研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
①大規模樹木の成長シミュレーション:点群データによる樹木の3次元モデルの再構築方法を提案する。また、L-systemにおける大規模樹木の生長パラメータを推定し、その成長シミュレーションおよび成長過程における応力解析を行う。さらに、幹および引張あて材の成長応力分布に関する研究成果を統合して、樹形と成長応力分布との間の力学的理論を構築する。 ②新な木状支持構造の提案:初期形状より、上部構造を支えるための最適な位相および形状をもつ下部支持構造を探索する位相最適化手法を提案する。曲げ変形の影響を排除し、力学的効率のよい構造を生成するため、支持構造をピン接合構造とする。また、その形状決定には、ケーブルネットおよびテンセグリティに開発された軸力密度法を拡張する。
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Research Products
(6 results)