2021 Fiscal Year Annual Research Report
根圏の応力応答とその3次元ガラス転写
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of the strategies of mechanical optimization in plants toward the establishment of the bases for sustainable structure system |
Project/Area Number |
21H00371
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津守 不二夫 九州大学, 工学研究院, 教授 (10343237)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 根 / ガラス / 微細流路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,植物の地中部構造が力学刺激にどのような影響を受けるかを詳細に把握することを目的としている.植物の地上部が力学的刺激に応答して成長パターンを変化する例は,成長による自重バランスの変化や,風による外力の影響など,多角的に研究されてきた.一方で,地中に存在する根についてはその状態の把握が困難であった. 本年度は,このような外力条件がいかに根の成長に影響を与えるかを評価する専用の実験系を開発した.具体的には静水圧応力を付与・変化させた場合の根の成長速度を評価している.これらはゲル内での実験であるが,ナノシリカ粉末培地中での培養実験も行い.このサンプルを焼成し,透明ガラス体として固化することも実証した.シングルミクロンレベルの解像度で根の形状特性が観察できた. これら植物の応力への応答実験を行う一方で,ガラス焼成材料についても改良が必要であった.作製プロセスを改良することにより,培地の準備中に混入する気泡の除去が可能となった.具体的には混錬装置のパラメータ最適化や,消泡剤の選定,また,気泡が培地水分へと吸収される時間の保持といった実験を行った. これらの実験に加え,線虫による培地中への流路生成についても実験を行った.植物根へ向かい線虫が移動する痕跡をガラス構造中に固定することに初めて成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
画は順調に進展している.まず,本実験に適したシリカナノ粉末分散培地材料の開発に成功している.植物を成長させることが可能であり,これまで以上に透明度の高いサンプルを作製することができるようになった.これは,研究実績の概要にも示したように,気泡の除去に成功したことと,焼成時の結晶化が抑制できたことが原因である. また,植物根に寄生するネコブセンチュウを本実験系において培養し,その移動痕跡をガラス固化することにも成功している.これらは当初計画以上の成果である.
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Strategy for Future Research Activity |
本申請で最も重要であるナノシリカ粉末分散培地材料の調整が完了しており,多様な力学的な刺激を加えながらの植物培養実験を重ねていく予定である.また,菌根菌との共培養のみならず,ネコブセンチュウの植物への寄生についてもガラス固定することが可能であることが示されつつあり,当初計画以上に多様な根圏環境を対象として実験を進めていく予定である.
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Research Products
(2 results)