2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of effect of mechanical forces on floral development and its application to membrane structures
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of the strategies of mechanical optimization in plants toward the establishment of the bases for sustainable structure system |
Project/Area Number |
21H00375
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
岩元 明敏 神奈川大学, 理学部, 教授 (60434388)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 物理的圧力 / 花芽分裂組織 / 建築構造物 / シロイヌナズナ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにシロイヌナズナの花芽分裂組織へ人工的に物理的圧力を与える実験系を確立し、通常とは異なる様々な形態の花を誘導することができている。さらにこの実験系に微小圧力を測定する系を組み込むことで、花芽分裂組織に加わる物理的圧力を定量化できることも確認している。本年度はその機器の運用の本格的な運用に取り組んだが、機器の調整が難航している。また、張力分布の変化を検討するため、細胞膜マーカーPIP2A-GFPを用いて物理的圧力を加える前後の花芽分裂組織の細胞輪郭の可視化に取り組んだ。物理的圧力を加える前の花芽分裂組織については可視化に成功したものの、物理的圧力を加えた後の花芽分裂組織については解析に必要なレベルの画像が得られていない。一方、物理的圧力を加えた前後のオーキシン応答の変化については解析が進んでおり、物理的圧力を加えた部分でのオーキシン応答(DR5-GFP蛍光)が上昇していた。 植物を用いた研究結果から、花芽分裂組織では物理的圧力によって剛性が不均一化することによって形態変化が生じていることが予測された。そこで、オーゼティックを応用して不均一な剛性分布を持つ2.4m×2.4mの膜構造物(金属板構造物)を作製した。オーゼティックとは、ある方向に力を加えて伸長させた時、それに直交する方向にも拡大するという性質で、切り紙細工のように平面に多数の切込みを周期的に入れるパターンによって実現できる。この膜構造物をモックアップし、等分布荷重をかけて懸垂させることによって、花芽分裂組織における器官形成をある程度模倣した曲面を得ることができた。本年度は同じ手法を用いた球体形の模型をつくり、より花に近い構造物の製作に取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
花芽分裂組織における張力分布の変化の算出については、花芽分裂組織の可視化(共焦点レーザー顕微鏡を用いた分裂組織の細胞輪郭の取得)は達成することができている。特に、領域内の他班と協力し、画像フィルタリングによる明瞭な可視化ができている。一方で、物理的圧力を与えた後の花芽分裂組織で明確な蛍光像を得ることができておらず、進捗状況は不十分である。また、花分裂組織に物理的圧力を与える新規実験系への微小圧力を測定する実験系の組み込みについても、必要な機器を揃えて構築はできたが、稼働には至っていない。その原因は、中核となる微小圧力の測定装置(マインツ大学より貸借)が非常に古いコンピューターOSで稼働しているため、その調整に時間がかかっているためである。 花芽分裂組織を応用した構造模型作りについては順調に進んでいる。すでに金属板を用いた大型(2.4m×2.4m)の膜構造物を作成した。この成果については2022年9月の建築学会OSで発表予定である。 以上から、建築構造物への応用および構造の作製は順調であり、予定以上に進んでいる。一方で、花芽分裂組織における張力分布の変化の算出、物理的圧力を与える新規実験系への微小圧力を測定する実験系の組み込みについては若干の遅れがある。これらを総合し、全体としては研究の進捗は概ね順調に進捗していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
花芽分裂組織における張力分布の変化の算出については、まず物理的圧力を与えた後の花芽分裂組織で明確な蛍光像を得るために条件検討を進めていく。現在、様々な条件下で育成したシロイヌナズナについて、なるべく生育上のストレスのない状態で物理的圧力が加えられる実験系の確立に取り組んでいる。 新規実験系への微小圧力を測定する実験系の組み込みについては、中核となる微小圧力の測定装置の制御について、専門知識をもった研究協力者と連携して進めて行く予定である。現在、何人かの研究者、企業に打診を行っており、2022年度の早い時期に稼働させられるようにしたい。 また、花芽分裂組織を再現した構造模型については、研究協力者の岩元真明助教(九州大学)の研究室と共同で3次元オーゼティック模型の作製に取り組む予定である。
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[Journal Article] Mechanical Forces in Floral Development2022
Author(s)
Bull-Herenu Kester、Dos Santos Patricia、Toni Jooa Felipe Ginefra、El Ottra Juliana Hanna Leite、Thaowetsuwan Pakkapol、Jeiter Julius、Ronse De Craene Louis Philippe、Iwamoto Akitoshi
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Journal Title
Plants
Volume: 11
Pages: 661
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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