2022 Fiscal Year Annual Research Report
大環状錯体内孔での化学反応を駆動力とする発動分子の創出
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Engine: Design of Autonomous Functions through Energy Conversion |
Project/Area Number |
21H00382
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 貴志 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90734103)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大環状分子 / 金属錯体 / 発動分子 / 反応場 / ロタキサン / 超分子 / ホストゲスト化学 / 分子認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大環状錯体M-hexapapがもつ直径1nm以上の巨大な内孔を用いて、内孔の金属による多点配位捕捉などを利用し、化学エネルギーをもとにして精密な分子変換と運動を実現する分子システムの創出を目指した。本年度は特に、hexapapのパラジウム6核錯体の内孔に結合する配位子を用いた環構造と分子運動の制御に関する興味深い研究成果が得られた。この環状六量体錯体は、pap金属錯体の単量体ユニット同士の角度の異なる2つのコンフォメーションを取ることがわかった。1つが、6つの内孔の配位部位が交互に上下上下上下となる交互型コンフォメーションであり、もう1つが、配位部位が上中下上中下となるねじれ型コンフォメーションである。興味深いことに、直鎖状ジアミンを内孔配位子として用いると、ジアミンはその分子長に応じて3つの異なる架橋様式で捕捉され、大環状分子の2つのコンフォメーションの精密制御が実現できることが示された。通常、金属配位性ホスト分子が複数の配位部位を持つ場合、外部配位子の添加によりランダムで制御不能な混合物となることが多く、入ってくるゲスト配位子がどの配位部位に結合するかを制御することは困難であった。本研究では、配位部位を6つ持つ環状分子であっても、その形状や分子運動を精密に制御できることを示した点で意義深いと言える。 また、M-hexapapを輪成分、カーボンナノチューブを軸成分としたロタキサンの形成と、発動分子の運動機構の解明を目指して、一分子計測を専門とする研究者との共同研究を推進した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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